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2007.05.18

公正取引委員会 建設業におけるコンプライアンスの整備状況-独占禁止法を中心として

 こんにちは、丸山満彦です。公正取引委員会が「建設業におけるコンプライアンスの整備状況-独占禁止法を中心として」を公表していますね。。。
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①従来から官製談合事件を含めた入札談合事件が頻発していること,
②改正独禁法の施行を契機とした業界団体からのコンプライアンス徹底の通知の発
出など独禁法のコンプライアンスについての関心が高まっていること,
③公共工事に関して品質確保法の施行など入札制度改革が急速に進展していること等
を踏まえ,建設業者を対象としたアンケート調査を実施した。
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 ということのようです。。。

 
公正取引委員会
・2007.05.16 建設業におけるコンプライアンスの整備状況-独占禁止法を中心として

「2 調査結果の概要及び考え方」から・・・

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(7)総括
○ 大企業については,独禁法違反に対する危機意識は乏しく,社内監査の実施状況等についても不十分な状況がうかがえ,実質的なコンプライアンスの向上についての取組が今後の大きな課題となっている。
○ 中小企業については,法令遵守に係る体制の整備及び実質的な取組ともに極めて不十分な状況にある。コンプライアンス・マニュアルの策定,コンプライアンス担当者の設置等比較的負担感の少ない事項については積極的な対応も可能であると考えられるほか,外部研修を活用する等の工夫が求められる。
○ 建設業界においては,入札談合について,個々の企業を超えた問題であるとの意識が強い状況にあったが,業界の取組と個々の企業の取組が一体となってコンプライアンスの向上につながることが期待される。
○ 業界全体として入札談合の防止に取り組んでいくこと自体は望ましいことであるが,仮に,責任を業界全体に押し付け,個々の企業のコンプライアンス向上を重視しない考え方が個々の企業にあるとすれば,現状に対する危機意識が不十分。コンプライアンスの主体は,個々の企業であり,何よりも個々の企業が自らのコンプライアン
スの実質的な向上を図ることが強く求められている。
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(1)コンプライアンスの整備及び組織体制状況等
○ コンプライアンス・マニュアルの策定,コンプライアンス担当部署等の設置等法令遵守に係る体制の整備は,規模が小さくなるにつれて整備されている割合が低下。
○ 規模が小さい企業については,コンプライアンス体制の整備に負担感があると考えられるが,マニュアルの策定,コンプライアンス担当者の設置等,資本金規模あるいは従業員数等に応じて,対応が可能と考えられる事項は対応していく必要がある。規模が大きい企業については,少なくともマニュアルの策定等法令遵守に係る体制の整備は100%実施されることが強く望まれる。

(2)独禁法関係のコンプライアンスの取組
○ 建設業界では入札談合事件が頻発しているにもかかわらず,全般的に危機意識が低い。独禁法に関する法令遵守の研修や社内監査の実施についても,全体として不十分。
○ たとえ,自社内で研修を実施することが困難であっても,様々な団体が研修を実施していることから,これらを活用し従業員に研修を受講させることが望まれる。また,独禁法の法令遵守を達成するためには,社内監査でチェックすることが極めて重要。

(3)独禁法関係のコンプライアンスの実効性確保
○ 日ごろから経営トップがコンプライアンスの重視を呼びかけている割合は規模が大きくなるにつれて上昇する傾向にあるが,規模の大きい企業においても,その割合は8割にとどまっている。また,法令違反が発見された場合の処理をトップ自らが判断している割合は,逆に規模が小さくなるにつれて上昇する傾向にある。
○ 最近の建設業における入札談合事件の頻発状況を踏まえると,経営トップの問題意識は不十分と考えられ,経営トップ自ら日ごろからコンプライアンスの重視を呼びかけ,従業員に徹底する必要がある。また,規模の大きい企業においては,法令違反が発見された場合の処理はトップ自らが判断するよう更なる取組が期待される。

(4)独禁法改正に伴うコンプライアンスの取組の見直し
○ 課徴金減免制度を利用することを考えている企業の割合は,資本金5億円未満では10%未満,資本金5億円以上で22%を超える。資本金50 億円以上では22%であり,昨年,東証一部上場企業に対して実施した同様の調査の18%と比べ,割合は幾分高くなったものの,課徴金減免制度を適用したことが公表されているにもかかわらず,それほど高くなっていない。
○ 課徴金減免制度の導入が企業コンプライアンスの向上に「役に立つ」と考える企業の割合は,規模が小さくなるにつれて低下し,資本金50 億円以上で53%,資本金5千万円未満で23%にとどまる。

(5)入札談合防止のための取組
○ 入札談合防止のために有効と考える取組として,業界全体の取組や入札制度改革を挙げる企業が多く,入札談合に対して課す措置の強化を挙げる企業は少ない。これに対して,地方公共団体に対する調査によると,発注者側は,事業者における企業コンプライアンスの向上,入札談合に対して課す措置の強化を重要と考えるところが多く,事業者側と発注者側で認識に大きな差が生じている。
○ 建設業界が業界全体として入札談合の防止のための取組を行っていく場合においては,行政側が積極的にこれを評価し,入札制度改革の動向や独禁法の運用状況等の最新の情報を提供するなど,このような業界全体の取組を支援することが望まれる。

(6)最近の入札制度改革等に対する評価
○ 入札制度の改善のために必要な改革として,総合評価方式の拡充やダンピング受注に対する規制強化を挙げる企業が多く,一般競争入札の拡大や入札談合に対して課す措置の強化を挙げる企業は少ない。これに対して,地方公共団体等に対する調査によると,発注者側は,一般競争入札の拡大や入札談合に対して課す措置の強化を挙げるところが多く,事業者側と発注者側で認識に大きな差が生じている。
○ 今後,行政側としては,自らの政策の目的,有効性について事業者側の理解を深めるための更なる努力が必要。
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【過去の今日】
・2006.05.18 PCAOB + SEC After Roundtable
・       日本の基準でも公認会計士は内部統制を直接評価する必要があるの?
・       神田先生もわからない 公認会計士の監査を監査役がみるのか監査役の監査を公認会計士がみるのか
・       winny
・2005.05.18 自民党の個人情報保護法改正案
・       人は自分の命をどこまでコンピュータに任せられるか?
・       高額納税者公示制度見直しへ


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Comments

おはようございます、せろまるです。

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○ 大企業については,独禁法違反に対する危機意識は乏しく
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危機意識が乏しいのか、それとも純粋に企業として、利益の確保・事業継続を
(法令順守よりも)優先事項として、談合という手段を選択したのか。

大手ゼネコンといわれる企業としては、市場競争を行い価格の下落を
招くよりも、カルテルを形成して利益を確保しつづけた方が安全確実
ということなのでしょうね。

実際に談合が一切存在しないと、どうなるか・・・

大手ゼネコンは受注の確保が難しくなる。
大手ゼネコン同士の価格競争が激化。
大手ゼネコンの下請けは仕事の回りが悪くなり、倒産に追い込まれる。
大手ゼネコンは、コスト削減の為に品質を落とす(基準値以下)
耐震偽装建造物&失業者急増

というのが最悪のシナリオでしょうか。
どちらにせよ、談合撲滅は大手同士の競争激化を招くことになりそうです。

携帯業界並みの価格競争が始まると、消費者としては大変困ります・・・

携帯端末機と契約料金が下がるのはいいけど、
家の建築料金が下がると、品質が非常に気になりますねぇ・・・

「この家、すごく安く建ったけど、倒れない?」

携帯のようにポンポン買い換えるわけにはいきませんし。

ならば、ある程度の談合は必要悪なのかなぁ。
でも、談合されると消費者が損しちゃうしなぁ。

難しい問題ですが、興味深いですねぇ。

最後に一言・・・

お上にも、もっと厳しい首輪嵌めたほうがいいんじゃない?
最近、職権執行による職権テロが国会で横行してるし。

Posted by: せろまる | 2007.05.18 09:46

せろまるさん、コメントありがとうございます。経済理論的には談合が行われると社会的便益が最大化しませんよね。。。ようは寡占又は独占の状態となるわけですから。。。安全性については市場外での取引となりがちですから、規制を加えてできる限りマーケットにおける価格形成に関与させるようにすることが重要だと思っているんですよ。。。
 

Posted by: 丸山満彦 | 2007.05.21 02:15

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