個人情報保護法は改正しない方向?
こんにちは、丸山満彦です。個人情報保護法については、過剰反応があるものの法改正をせずに運用でカバーするという方向になりそうですね。。。
■毎日新聞
・2007.05.21 <個人情報保護法>過剰反応が問題化…運用改善を提言
=====
個人情報保護法の見直しを検討してきた内閣府の国民生活審議会・個人情報保護部会(部会長、野村豊弘・学習院大法務研究科教授)は21日、「個人情報保護に関する取りまとめ」(素案)を公表した。学校や地域の緊急時の名簿の作成が困難になるなど過剰反応が社会問題化する中、素案は、法改正に踏み込まず、運用改善の提言にとどまった。識者からは「過剰反応の是正は、期待できない」との指摘が出ている。
素案では、過剰反応や国の行政機関などが保有する個人情報の取り扱い――など計16項目について、現状と課題、今後の検討方向を報告。全項目とも、法改正の必要性に言及しなかった。
=====
ということで、個人情報保護法は改正されない方向で落ち着くのでしょうか?いやいや運用では解決しないので・・・という意見もあるようですが。。。
=====
素案を事務局としてとりまとめた内閣府個人情報保護推進室は「実現可能な範囲でまとめた」と説明した。
=====
とありますが、
「私たちで実現可能な範囲でまとめた」ということなのでしょうか・・・
=====
部会の議論には、当初から法改正に消極的な内閣府の事務局が関与しており、委員の間にあった「抜本的な見直しは難しい」との懸念が現実のものになった。
=====
ということは、委員は改正が必要だと思っていても事務局が反対ということで・・・ということなのでしょうか???
有識者の意見を無視する事務局運営なんてありえないと思うのですが、そういうこともあるのでしょうかね。。。
=====
内閣府の国民生活審議会部会が公表した素案では、(1)個人情報保護を理由にした報道機関に対する役所や企業の取材拒否(2)必要な情報の流通が滞る過剰反応――に対する解決策を明確に示さなかった
・・・・・
(1)に関しては、法律では、報道機関への情報提供は、勧告や命令など大臣の権限行使の対象にならないと規定されている。だが、実際には萎縮(いしゅく)が、医療や学校、福祉、警察など市民生活に密着したさまざまな現場に広がっている。その理由について、部会では実例を踏まえた議論がほとんどされなかった。
(2)については、「個人情報取扱事業者」が扱う個人データの定義が広すぎるために、過剰反応が起きているとされる。だが、鈴木正朝・新潟大教授(情報法)は「個人データの対象を限定するには、法改正が欠かせないのに、部会は議論をしなかった」と批判する。
=====
議事要旨等はこちらから・・・
=====
■第20次 国民生活審議会 個人情報保護部会
第17回(平成19年5月21日)
【配布資料】(PDF形式)
・議事次第
・資料1 個人情報保護部会における論議の概要
・資料2 個人情報保護に関する取りまとめ(素案)
・資料3 個人情報保護部会の当面の予定(案)
=====
【過去の今日】
・2006.05.23 ICカードも安心ではないんだ・・・
・2005.05.23 談合企業に学ぶ?情報漏えい対策
Comments
丸山 様
夏井です。
有識者には識見はあるかもしれないけれど何の権限もないので,まあこういうものなのでしょう。
事務局には名目上の権限はないけれどとりまとめを担当している以上,圧倒的な力をもってしまいますよね。
もし有識者会議で有識者の意見を優先するようにすべきだとすれば,会議の事務局を有識者の側で組織し,政府や行政側の意見が全く反映されないようにしておく必要があるだろうと思います。ただし,そのような予算はないし,たいていの有識者は貧乏なので,この意見は空理空論に近いです。また,仮にそのような事務局が構成可能であったとしても,首相が「このような意見は採用しない」とひとこと言えばそれで終わってしまうことになるので,その意味でも空理空論です。
要するに,諮問委員会というものは本質的にそうしたものなので,ある種の徹底した諦念のようなものがないとつとまらない仕事です。マスコミなどが有識者会議に「何か」を期待しているとすれば,そのような期待をもつほうが最初から根本的に間違っていると言えるでしょう。何も期待してはならないんですよ。ここでもまたある種の徹底した諦念のようなものが求められます。
Posted by: 夏井高人 | 2007.05.23 at 07:25
おはようございます、せろまるです。
夏井様のコメント・・・説得力がありますねぇ。
有識者を集めて議論をさせるのは、
体裁を整える為なのでしょうか。
事務局が事前に、
「法改正せずに済むような結論が欲しい」
と通達しておいて、
有識者の方々が検討した結果、
「運用面ではどうこう、しかしそれでは不足なので、ちょめちょめな法改正を検討する必要あり」
と事務局に報告すると、事務局は運用面だけ取り上げ、
「これで大丈夫でしょう、法改正意見は見送りで」
と、まとめあげているのでしょうか。
そして、お上の「実現可能」は
「現場がかなりの負担を負えば、実現可能」
というものに落ち着くのでしょうか。
私も個人情報保護士として、微弱ながらも
頭の痛い日々が続きそうです。。。
Posted by: せろまる | 2007.05.23 at 09:10
夏井先生、せろまるさま、コメントありがとうございました。
有識者の意見は尊重はされるけど、なんの拘束力もないのでまぁそうなんですけどね。。。
有識者は責任をとれないしね。。。
有識者会議のメンバーと事務局の間で信頼関係があれば、よい方向にながれるのですけどね。。。
Posted by: 丸山満彦 | 2007.05.24 at 08:34