« 内閣官房 パブコメ 3つ 「セキュア・ジャパン2007」(案) 、「政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準(第2版)」(案) 、「重要インフラにおける情報セキュリティ確保に係る『安全基準等』策定にあたっての指針」の改定案 | Main | 内閣官房情報セキュリティセンターにロゴ・マーク »

2007.04.25

加ト吉 「不適切な取引行為に関する報告等」

 こんにちは、丸山満彦です。加ト吉が平成13 年度から平成18 年度までの間の循環取引等の不適切な取引の実態の事実調査等をした報告書を公表していますね。循環取引といえば、ソフトウェア開発において行われたケースもありますが、対象は何でも可能です。他社で魚介類を利用したケースを聞いたことがあります。今回も魚介類や農作物であったようですね。循環取引は、取引先から金融支援を要請され断りにくいと言う状況で、売上高を多く見せたいというちょっとした欲望が絡み合って発生するような気がしますね。。。取引先の信用状況、特定の取引先の売上高や売掛金残高の推移、特定の在庫の推移、顧客別の売上利益率等をみればなんとなくわかってくる場合がありますね。。。

加ト吉
・2007.04.24 不適切な取引行為に関する報告等

 過去6年間で984億円分の連結売上高が水増し計上されていたようですね。。。
 不正の発見は、取引先が監査法人に通報したことからのようですね。。。

 この手の事件が同族会社だから起こったと言うわけではないのだろうと思います。特定の部門が聖域化、蛸壺化し、他の取締役等の監督の目が行き届かなくなると起こりうる話です。特に管理部門が横から見ていればよいのですが、単なる数字あつめで終わっていると「おかしいなぁ・・・」と思ってもそれ以上口を出しにくくなるので、発見が遅れますね。
 管理部門の発言力というのが重要なのですが、それはその会社で管理部門がどのように扱われているかということで判断できますよね。また、発言力だけでなく、実力がなければ、現場により隠された不正を発見することはできませんね。
 ただし、あまり管理部門が強いと、管理のための管理となって現場の力が落ちるので問題となります。

 経営者は、その辺の按配を芸術家のようにパランスさせることが求められますね。。。

=====
3 調査目的
① 加ト吉および連結会社の平成13 年度から平成18 年度までの間の不適切な取引の実態の事実調査
② 同取引にもとづいた平成13 年度から平成17 年度までの開示された財務諸表への影響の事実調査
③ 上記不適切な取引の問題点と発生原因および改善策
=====

=====
第2 加ト吉グループの不適切な取引行為
1 加ト吉グループの不適切な取引行為は以下の5 態様の取引である。
① 加ト吉(水産事業本部水産管理部)が行ったB 社に対する帳合取引を含む金融支援取引
② 加ト吉(水産事業本部水産管理部)が行ったA 社に対する帳合取引を含む金融支援取引
③ 加ト吉(水産事業本部水産管理部)が行った小野食品に対する帳合取引を含む金融支援取引
④ 加ト吉(東京特販部)が行ったC株式会社(以下C社)と株式会社D(以下D社)との間の取引に介入した帳合取引(循環取引)
⑤ 加ト吉の連結対象子会社である加ト吉水産株式会社(以下「加ト吉水産」)の偽造印鑑を使用した取引
上記、①、②および③の各取引は、全て、加ト吉の取締役水産事業本部長であった乙の判断によって行われたものである。
=====
①~③は取引先が異なるだけでパターンとしては同じなのでしょうかね。。。
④も似ているように感じますね。。。

=====
1 不適切な取引の発生原因
・ 第1 の①~③の取引について
発生原因は乙の帳合取引実行責任者としての一連の行為にあることは間違いないが、乙1名の責任に帰するのは妥当ではない。
背景として、以下の3点を検討すべき。
 第一に加ト吉グループの基本方針が売上拡大主義にあったこと(管理部門の軽視)、
 第二に取締役会をはじめ取締役の内部統制意識の欠如、
 第三に社長のワンマン経営、同族経営の弊害である。

・ 同④の取引についても、上記と同様に企業としての体質、経営方針が惹起したものと評価せざるを得ない。

・ 同⑤の取引については、加ト吉水産の社内で一応のチェックがなされていたが、そのチェックはしっかりと構築された内部統制システムのもとに組織的に行なわれたとは言えず、加ト吉グループの体質、経営方針が惹起した事案と評価せざるを得ない。
=====

=====
2 再発防止についての提言
本件不適切取引の根本的な原因を除去する必要がある。
 第一に、売上至上原理主義を改善すること(管理部門の重視)、
 第二に内部統制システムの確立とその適切な運用、
 第三にワンマン経営・同族経営の弊害排除のための経営体制の全面的刷新
である。
=====

【報道】
■日経新聞
・2007.04.24 加ト吉、不透明取引で150億円損失・社長が引責辞任
・2007.04.22 加ト吉、数百億円の循環取引に関与・調査委が報告書

■朝日新聞
・2007.04.25 加ト吉、売上高984億円分を水増し計上 社長が辞任

■読売新聞
・2007.04.25 加ト吉グループ循環取引、売上高水増し984億円
・2007.04.24 加ト吉、売上高水増し984億…君臨51年、加藤社長辞任

■西日本新聞
・2007.04.25 加ト吉 不正取引985億円 調査結果発表 加藤社長が引責辞任


【過去の今日】
・2006.04.25 米国 30年前のIT適用業務処理統制の項目
・2005.04.25 ドコモの個人情報漏えい事件で元従業員が逮捕された件と情報窃盗罪
・       ウイルス対策ソフトのバグについて思う

|

« 内閣官房 パブコメ 3つ 「セキュア・ジャパン2007」(案) 、「政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準(第2版)」(案) 、「重要インフラにおける情報セキュリティ確保に係る『安全基準等』策定にあたっての指針」の改定案 | Main | 内閣官房情報セキュリティセンターにロゴ・マーク »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 加ト吉 「不適切な取引行為に関する報告等」:

« 内閣官房 パブコメ 3つ 「セキュア・ジャパン2007」(案) 、「政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準(第2版)」(案) 、「重要インフラにおける情報セキュリティ確保に係る『安全基準等』策定にあたっての指針」の改定案 | Main | 内閣官房情報セキュリティセンターにロゴ・マーク »