事故と審査機関の責任
こんにちは、丸山満彦です。読売新聞のニュース記事に「リンナイのISO再検討へ、認証機関へ調査依頼」というのがありました。。。不二家さんにつづいて、リンナイさんでも、事故を起こせばISOマークを剥奪になりそうです。。。審査機関の責任は???
■読売新聞
・2007.02.14 リンナイのISO再検討へ、認証機関へ調査依頼
個人的には、
●事故を起こしたら認証マークを剥奪する
という考え方はおかしな考え方だと思います。
その前にすべきは、その認証審査が適正であったかどうかの調査検討でしょう。
公認会計士監査でも同じことですが、
不適合を見逃したのは、
1)通常の審査ではありえることなのか?
2)通常の審査では当然にその不適合は気づくべきなのか?
を明確にし、
1)であれば審査機関を処分しない。
2)であれば審査機関を処分する。
でしょう。。。
審査機関の責任問題を明確にしないと、制度が信頼されないようになりますよね・・・
【参考】このブログ
・2007.02.02 不二家の3工場、ISO9001認証が保留
・2007.01.16 経済産業省 不二家に対するISOの臨時審査を要請?
・2005.01.25 ISMSの形骸化
【過去の今日】
・2006.02.14 監査人による「経営者による評価プロセスに係る評定」 PCAOB 監査基準書第2号第40項
・2005.02.14 会社は誰のモノか?
Comments
丸山 様
夏井です。
日本の文化の特徴は,家元制度とパッケージ文化というところにあるのではないかと思っております。
司馬遼太郎さんの言葉で言えば血族思想のようなものが家元制度の根幹にあるし,中身は同じでも有名デパートの包装紙を欲しがるような雰囲気がパッケージ文化から派生してきます。
これらのもののIT版とでもいうべきものがまさに各種認証制度の日本における成功の遠因としてあるのではないでしょうか?
あくまでも家元制度なので,お金をつんで「名取」の称号をもらうことが大事です。その目的についてはよく考えた上のことではないかもしれない。また,有名家元として一般に評価されているところであれば当該家元が現時点で本当に家元を名乗るだけの実力を有するかどうかも一切関係がない。ただひたすら名前を崇拝することが大事。もしそうしなければ当該家元の価値を自らが減じてしまうことにもなりかねないので絶対に批判しない。ただただありがたく敬い,先例踏襲するのみ。
そして,認証がパッケージの一種に過ぎないと考えられているところでは,外面だけ綺麗に包装してしまえば中身は関係がない。どんなに粗末なものであっても名の通ったパッケージにくるんでおけば誰でもありがたがる。
というわけで,実質を伴わない名目のほうが優先してしまいがちになるのかもしれません。
日本国においてビジネスマネジメントの基本であるPDCAが実際には機能しにくいこと,そのようにPDCAが実質的にはきちんと機能させないようにしつつ名目だけ維持することこそがまさに真意であるような経営者も存在すること(←日興コーディアルや不二家などにおける事例をみれば一目瞭然),そうしたことが日本の認証制度をますますもって形骸化させその濫用事例を累積させる原因となっているのではないかと想像します。
これらの問題を根本から解決するためには,家元制度とパッケージ文化の両方を根幹から破壊し日本文化の中から抹消してしまわないと駄目なんですが,そんなことはまず不可能です。
したがって,予測可能な結論としては,今後も同じようなことが何度も繰り返されるという結論以外にはありそうにないです。
ちなみに,超有名大学で授与されている博士学位などでも同じようなことが頻発しているようです。まさに空虚なパッケージそのもの。まことに情けないことです。むしろ,我妻栄先生のように「無学位であることを誇る」ような生き方をしている大学教授のほうが絶対的にまともな姿勢をもっているのではないかと思います。
真に賢い会社経営者は,「認証とはその程度のものだ」として構え,パッケージの名目や外貌などに幻惑されないで正確にものごとを判断してきましたし,世間のならいとしての名目的な権威を一応尊重しつつも自らのもつ実質的な意味での実力こそが自らを生かせているすべての根源であることを正しく理解してきました。今後もそうだろうと思います。
Posted by: 夏井高人 | 2007.02.15 07:07
夏井先生、コメントありがとうございます。
家元制度とパッケージ文化。。。的を得ているかもしれませんね。。。
反対することができない権威に従っていることにして批判をかわす。したがっていることにするためには、中身よりも外見がそうみえることが重要。
ふむ・・・。
何度も読み直してよく考えて見ます。。。
Posted by: 丸山満彦 | 2007.02.15 17:56