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2007.01.21

今回のケースは「仕組み作りの前に意識改革」

 こんにちは、丸山満彦です。老舗お菓子メーカーの不祥事が報道でも大きく取り上げられています。報道から察するに典型的な内部統制の問題ですね。こういう状況になる会社は「仕組み」か「意識」、又はその両方に問題を抱えています。今回のケースは、「意識」により大きな問題があったと思いますね。ということで、仕組み作りの前に意識改革をする必要がありそうです。。。
 意識も仕組みもあわせて内部統制です。

 
このブログで2年前に取り上げたことがあるのですが、

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2005.01.19 法令違反する会社
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 このとき法令違反しそうかどうかを判定するために簡単な独断的(笑)チェック項目を示しました。。。
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1:社内は外部との交流が少なく、従業員は全て上をみて行動している。

2:社内はそれぞれが蛸壺化していて、横連携が弱い。

3:職務権限や分掌があいまいで、社内ルールも文書化されていない。

4:社長や事業部長の鶴の一声で今までの話がすぐにひっくりかえる。

5:社長や事業部長が部長などを超えて直接現場に指示を出す。

6:社長や事業部長は、売上に対して強い執着がある。
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 今回の場合は、1.2.の問題が多いのでしょうね。。。

 社内の人が、社外との交流が少ないと社内の人から見える世界は社内がほとんどいうことになり、社内の常識は社会の非常識であっても通ってしまいます。上司が社会的にはおかしなことを言っていてもそれは会社の常識ですから誰もおかしいとは思わないということになります。

 次に蛸壺問題がこれに拍車をかけます。社内の中には外部との接点も多く、常識をもった人もいるのですが、社内の情報共有の悪さがこれを阻みます。今回のケースも、経営者や不正を犯していない工場(あるかどうかしりませんが)の工場長はひょっとしたら品質管理の重要性を十分に理解していたかもしれません。しかし、不正を犯した工場にはそれが十分に伝わっていなかった。。。現場では各工場ごとに工場長がある意味権力者として幅を利かせていたのかもしれません。
 次々と後になって不正の事例が見つかるというのは全体を把握している人がいないということで、蛸壺化している可能性が非常に高いです。

 コスト削減を強く言われる。品質は掛け声、表ざたにさえならなければ品質が良くても悪くても評価されることはない。むしろ、はっきりわかる利益で評価される。という状況があって、閉鎖的な社会があれば今回のような事件はどこでもおこります。閉鎖的な社会で起こる「ちょっとした不正」は、最初は「裏技」としてこっそり行われていくのですが、裏技がその閉鎖社会全体のおおむね1/3(単なる経験値です。。。)を超える程度に認識されだすと、一気に「表技」となります。しかし、蛸壺化された閉鎖社会では外部の常識が注入されることがないので、不正が温存されることになります。

 じゃぁ、こんな組織をどうしたら変えられるのか・・・

 はじめにするべきことは、マニュアルの整備でもなく、製造現場への消費期限を遵守するための徹底指示でもありません。
 はじめにするべきことは、すべての経営者、従業員の意識改革だろうと思います。特に経営者の意識改革が必要です。意識改革ができないならやめてもらうほうがよいです。この意識改革はだいたい3年(単なる経験値。。。)かかると思ったほうがよいでしょうね。。。
 意識改革は組織がまだぐらぐらと揺れいてる間に行うことが効果的です。「鉄は熱いうちに打て」って感じですかね。。。ある程度意識が変わってきたら、次は仕組みづくりです。組織にこの意識を定着させるためには、仕組みづくりが絶対必要です。
 今回のケースではJISQ9001やJISQ14001の認証を取得していたようですが、意識改革を促すという意味で一度、認証も返上したほうがよいかもしれませんね。。。
 仕組みづくりは、現場の人が時間を割いてするべきです。ここで重要なことは、自分で考えるということですね。
コンサルを頼ってはいけませんね。コンサルはみんながめげないように励ます役割と思ってちょうど良いのかもしれません。


【過去の今日】
・2006.01.21 米司法省 検索サイトに検索情報の提出を要求
・2005.01.21 デジタルフォレンジック研究会 講演レジュメ公開
・----.--.-- 個人情報保護法 頭の体操8        

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Comments

コンピュータ屋です。
「経営者、従業員の意識改革」、おっしゃるとおりだと思います。
内部統制対応のお手伝いをしていて、見聞きしている会社さん、ここまでのことはありませんが、全社的内部統制の評価をほどほどにして、「業務プロセスの文書化」となっています。
全社レベル、トップの本気度が大切ですよね。
これに対して具体的にトップダウンアプローチと言えるだけのものが無くて困っています。トップも担当者もコンサルも「やっているんだ」と言う安堵感があるようです。何とかならないのでしょうか。

Posted by: コンピュータ屋 | 2007.01.21 10:47

なかじまです。

おはようございます。

いくつかのお客さんなんかとは話はしているんですが、内部統制って、最近は金融商品取引法対応がどうしても目立ってしまっているのですが、本来はJISQ9001やJISQ14001も目的が異なる内部統制なんですよね。
そういう意味では、「売上や利益を上げるための会社としての取り組み」や「コストを抑制するための取り組み」も内部統制になんですよね。

COSOのフレームワークなんかでは、内部統制の目的としてComplinceがありますが、個人的な意見としては財務報告の正確性/信頼性を大幅に犠牲にすることがないのであれば、Complianceのほうを優先すべきだと思っています。

その意味では、業務の有効性・効率性の目的のために、Complianceを軽視する or 「見つからなければ違反ではない」という意識というか雰囲気があるようにも思えます。
特に対顧客のサービス・商品に直結する部分でそういう意識があると、問題に発展するんでしょうね。
そういった意味では経営陣が自社の商品・サービスにたいする正しい「こだわり」みたいなものがちゃんとあった、それが社内に浸透しているといいと思うんですけどね。

Posted by: なかじま | 2007.01.22 10:59

コンピュータ屋さん、コメントありがとうございます。
 トップダウンアプローチって、業務プロセスの文書化を細かくすればするほどできないんですよね。
 それがわかっていないとトップダウンアプローチといいながら、ボトムアップになってしまいますよね。
 米国の監査基準やマニュアルの改訂の歴史を勉強すればそのあたりも見えてくるのかもしれませんが。。。

Posted by: 丸山満彦 | 2007.01.22 16:25

なかじまさん、コメントありがとうございます。いわゆるJ-SOXは内部統制の構築ではなくて、内部統制の評価の話なので、財務報告という分野の問題だけでなくて、評価という局面の話でもあるので狭い狭い話になりますよね。。。
 内部統制という話は、取締役が特に気をつけなければならないのですが、担当者ばかりがしゃかりきになっているので、なんかへんな感じがしますね。

Posted by: 丸山満彦 | 2007.01.22 16:27

こんばんわ、せろまるでございます。

少し気になってはいるのですが、
「内部統制対応!」「日本版SOX法対応!」
などと銘打った製品、サービスを最近よく眼にするのですが、製品はわかるのです。
システムが要件を満たしているかどうかで判断できますので。
問題はサービスです。
「他社の支援する余裕があるの?」という素朴な疑問があるのですが、どうなのでしょう?

きちんと自社の体制が整った上で他社の支援に
乗り出しているのでしょうか?

他社の状況を知ることができないので、本当にそのサービスは信用できるの?と疑問を感じてしまいます。
何かよい情報がありましたら教えていただければ幸いです。

Posted by: せろまる | 2007.01.22 23:53

せろまるさん、コメントありがとうございます。

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「他社の支援する余裕があるの?」という素朴な疑問があるのですが、どうなのでしょう?
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というのは、確かに思う場合もあるのですが、口には出さないことにしています(笑)。
 会社ではそれぞれ責任と権限が与えられているわけで、それぞれのパートパートでするべきことをする・・・。内部統制を100点満点にするために、業務成果が30点になってはだめでしょう。
 それなら、内部統制70点、業務成果80点のほうがよいですからね。。。

Posted by: 丸山満彦 | 2007.01.23 08:10

こんばんわ、せろまるでございます。

なるほどですね。
折り合いのつけ所が肝心なのですね。

Posted by: せろまる | 2007.01.23 20:30

せろまるさん、コメントありがとうございます。
個人情報保護法の時もそうだったのですが、J-SOX原理主義になってはだめですよね。。。

Posted by: 丸山満彦 | 2007.01.23 23:56

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