総務省 「電子投票システムの技術的条件の適合確認等について」の公表
こんにちは、丸山満彦です。総務省が「電子投票システムの技術的条件の適合確認等について」を公表していますね。電子投票システムの技術的条件の適合確認等についての通知を出していますね。技術的条件の適合のためのチェックリストがついているのですが、このファイルがスキャナ読み込みのPDFファイルで3MB以上もあるので注意してください。。。(ワードとエクセルの混合文書だからスキャナ読み込みにしたのかなぁ・・・)
■総務省
・2006.12.19 「電子投票システムの技術的条件の適合確認等について」の公表
・・技術的条件の見直し部分(別添1)
・・電子投票システムの技術的条件に係る適合確認実施要綱(別添2) 3MB
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総務省においては、今後、第三者機関との間で委託契約を締結し、第三者機関を活用した適合確認を行い、第三者機関の検査結果を踏まえ、電子投票システムの技術的条件に係る適合確認の状況について公表する予定です。
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となっていますので、機器(コンピュータシステム)認定のような制度にするようにも思えますね。。。CCっぽい?
要綱の目的は次のとおりです。。。
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目的
この要綱は、これまでの電子投票の実績を踏まえ、電子投票システムの信頼性確保を図るため、電子投票システムに関する技術的条件(以下「技術的条件」という。)に適合しているかの確認を行い、市町村選挙管理委員会が行う電磁的記録式等表記の指定等の参考に供しようとするものである。
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ちょっと気になる点をいうと、、、
・このチェックリストでの適合確認は、監査の世界でいう「合意された手続」に似ていますね。このチェックリストを全て満たしていれば安全な電子投票システムであることを総務省が保証しているわけではなくて、チェックリストの内容を確認してそれぞれ利用者で判断してください。追加で必要なことがあれば、追加で聞いてもよいですよ。適合していない部分があっても、運用等でカバーされていればよいかもしれないのでそれは利用者で判断してくださいという感じのはず。。。です。
ただそういう視点から見ると監査論的?に気になる点がありますね。。。
・検査方法と確認内容が示されているのはGOODです。
・ただし、一部の検査方法の記述が明確ではありません。例えば、「適切に」という表現が出てきたりするわけですが、何が適切かが明確でなければ、機器等の製造業者、適合確認事業者、その報告書の利用者の三者で「適切の」意味が異なってくる可能性があります。これはよくないので、「適切に」という部分を特定するほうがよいですね。。。
・(運用でも可)という表現がところどころにありますが、機器(コンピュータシステム)の適合確認ですから、システム的に実装されていなければ、「不適合」とし、特記事項としてその運用が現場できるようになっていることを書くなどのほうがよいですね。
例えば、
別表1 機能要件
大項目 2.投票前機能
中項目 1.投票画面の準備とデータのインストール
小項目 3.候補者情報のインストール
技術的条件項目 2.正規の候補者情報のみインストールできる手段を有すること(運用でも可)
という項目があるのですが、正規の候補者情報のみインストールできる機能を機器(コンピュータシステム)が有していないのであれば「不適合」にしてしまうほうがよいです。つまり、この機能は機器(コンピュータシステム)では実装されていないので、人間がマニュアルでコントロールしてくださいというメッセージになるわけです。
内部統制の評価と監査の実務をしている人ならわかるかもしれませんが、機器(コンピュータシステム)に実装されている機能がこの場合、「IT業務処理統制」になります。でも、それが実装されていなければ「手作業による業務処理統制」で代替してください。。。ということです。
技術的条件項目は、業務処理統制であるという視点でみるとよく理解できるかもしれませんね。。。
【参考】このブログ ●電子投票
・2006.10.17 自民党 電子投票促進へ交付金?
・2006.09.18 総務省 電子投票システムの信頼性向上に向けた方策の基本的方向 + 監査人の保証意見について
・2006.09.17 プリンストン大学 電子投票マシンの安全性について実験すると・・・
・2006.05.25 今夏の参院選で電子投票も行える?
・2006.02.11 総務省試算 電子投票を全面導入すると国費負担1400億円
・2005.11.15 総務省 電子投票システム調査検討会発足
・2005.07.19 総務省 電子投票の普及促進 有識者検討会設置
・2005.07.10 可児市市議選 選挙無効確定!
・2005.03.11 名古屋高裁 可児市電子投票 無効
【過去の今日】
・2006.01.08 盗撮で偽造カード?78万円引き出される
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