オンラインゲームのアイテム取引を通じた詐欺
こんにちは、丸山満彦です。オンラインゲームをしないので良くわからないのですが、オンラインゲームで使うアイテムを騙し取って他の人に売り換金するという事件も起こっているようですね。
■読売新聞
・2006.09.30 オンラインゲームの武器・アイテム、取引で詐欺相次ぐ
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(前略)
仲介サービスを行う専門業者もいて、都内の業者によると、珍しいアイテムや武器は5万~10万円、時には200万円の値がつくことも。しかし、ネット上の取引で面識のない相手とやり取りすることが多いため、トラブルが頻発している。
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■Web110
●オンラインゲームと法律
逮捕されているケースもあるし・・・
■読売新聞
・2006.09.26 オンラインゲームのアイテム詐取、24歳男を逮捕
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(前略)
調べでは、伊藤被告は6月24日、冒険型ゲーム「メイプルストーリー」で、千葉県浦安市の男子高校生(18)からアイテム2点(計1300円相当)をだまし取った疑い。ゲーム内の会話で「仮想通貨で代金を払う」と持ちかけ、支払わずに接続を切ったという。
(中略)
8月には愛知県警が、オンラインゲームで使うアイテムを販売するとの名目で15万円をだまし取ったとして男を詐欺容疑で逮捕。金が詐取の対象になったが、今回のケースは仮想物。県警は「被害者が購入した、ゲーム内でサービスを受ける権利を奪ったことが、財産上、不法な利益を得たと判断した」としている。
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Comments
丸山 様
夏井です。
いずれ事件になるだろうと思っていたら,現実に起きてしまいましたね。もはや架空の想定事例の段階ではないようです。
報道でしか知らないので実際のシステムの運営がどうなっているのかは知りませんけど,任意のアイテムを現金または仮想現金で購入可能な場合には,そのアイテムは財産権の一種であることは間違いないでしょう。
しかし,電磁的状態であるアイテムが物体を意味する「財物」であるはずがないので,仮に成立するとしても2項詐欺だけということになるだろうと思います。
この問題は,単にゲームでやりとりされる「アイテム」のみに限定されるものではなく,およそ電磁的形態をとる財産権一般に共通して発生し得る問題ですので,例えば,電子通貨や電子債券の詐取のような場合にどのような犯罪が成立可能かといったタイプの問題として今後検討されるべきなのだろうと思います。
Posted by: 夏井高人 | 2006.10.02 19:45
今回は詐欺の事例ですが財産犯にしては被害額が小さいですよね。
以前、高松地裁のオンラインゲームの刑事事件をやったときに、ゲーム関連のいろんな商売があると聞きました。ロボットにゲームをさせてアイテムを獲得して儲けるとか。アクセスが規制されている国からのアクセスのためにプロキシを経営するとか。
検察官は業務が著しく害されたと主張していましたが、たかがゲームだということで量刑は軽かったですね。
Posted by: 奥村(大阪弁護士会) | 2006.10.03 20:55
夏井先生、奥村先生、コメントありがとうございます。
電子登録債券や電子通貨でも同様の問題が生じるでしょうね・・・。
「ロボットにゲームをさせてアイテムを獲得して儲けるとか。」は、なるほど・・・というアイデアです。「たかがゲーム」と言って片付けられる間に適切な対応を考えて実行に移しておいたほうがよいのかもしれませんね。
Posted by: 丸山満彦 | 2006.10.04 01:56