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2006.10.31

内部統制監査 基準案を素直に読むと・・・プロセスの保証と結果の保証

 こんにちは、丸山満彦です。いったん紙に書いて世の中に出てしまうと、文案作成者の意図とは別に、紙に書かれた情報が判断の基礎となっていくので、文書を出すというのは恐ろしいもののわけです。昨年の12月8日に金融庁が公表した、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準案」でもそれは同じことですね。今回は、内部統制報告書に対する監査人の意見の話。プロセスの保証結果の保証です。

 
監査報告書に記載する内容は、
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③ 内部統制報告書に対する監査人の意見
イ.内部統制報告書における経営者の評価結果
ロ.内部統制報告書が一般に公正妥当と認められる内部統制の評価の基準に準拠し、財務報告に係る内部統制の評価結果について、すべての重要な点において適正に表示していると認められること
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となっています。「内部統制報告書に対する監査人の意見」となっているのは、「内部統制報告書に対する監査人の意見そのもの」をさしているのではなく、「内部統制報告書に対する監査人の意見を記載する部分」の意味だと思います。
 で、ロ.を見てみると、内部統制の評価結果が適正に表示しているということですから、以下の内部統制報告書の記載事項が、一般に公正妥当と認められる内部統制の評価の基準に準拠していること、評価結果が適正であることを監査をする人は証明することになります。実施基準案によると、
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(2) 内部統制報告書の記載項目
内部統制報告書には、次の事項を記載する。
① 整備及び運用に関する事項
② 評価の範囲、評価時点及び評価手続
③ 評価結果
④ 付記事項
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で、具体的には、
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(3) 整備及び運用に関する事項
① 財務報告及び財務報告に係る内部統制に責任を有する者の氏名
② 経営者が、財務報告に係る内部統制の整備及び運用の責任を有している旨
③ 財務報告に係る内部統制を整備及び運用する際に準拠した一般に公正妥当と認められる内部統制の枠組み
④ 内部統制の固有の限界

(4) 評価の範囲、評価時点及び評価手続
① 財務報告に係る内部統制の評価の範囲(範囲の決定方法及び根拠を含む。)
② 財務報告に係る内部統制の評価が行われた時点
③ 財務報告に係る内部統制の評価に当たって、一般に公正妥当と認められる内部統制の評価の基準に準拠した旨
④ 財務報告に係る内部統制の評価手続の概要

(5) 評価結果
財務報告に係る内部統制の評価結果の表明には、以下の方法がある。
① 財務報告に係る内部統制は有効である旨
② 評価手続の一部が実施できなかったが、財務報告に係る内部統制は有効である旨、並びに実施できなかった評価手続及びその理由
③ 重要な欠陥があり、財務報告に係る内部統制は有効でない旨、並びにその重要な欠陥の内容及びそれが是正されない理由
④ 重要な評価手続が実施できなかったため、財務報告に係る内部統制の評価結果を表明できない旨、並びに実施できなかった評価手続及びその理由

(6) 付記事項
① 財務報告に係る内部統制の有効性の評価に重要な影響を及ぼす後発事象
② 期末日後に実施した重要な欠陥に対する是正措置等
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です。
内部統制報告書には、財務報告に係るに内部統制が有効である旨の表示もありますから、監査人はその内容が適正であることを証明しなければなりません。いわゆる、評価結果の保証をしなければならないわけです。

 一方、一般に公正妥当と認められる内部統制の評価の基準に準拠して評価されたことも証明の対象となるわけですから、内部統制報告書を作成するプロセスも保証の対象となります。

 つまり、プロセスも結果も両方とも保証しなければならないということになります。

 米国では、現在、経営者評価の適正性については保証対象からはずそうという動きがあります。その場合、結果の保証だけでよくなります。

 

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