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2006.09.08

実施基準で「決めること」と「決めないこと」を事前に教えてほしい

 こんにちは、丸山満彦です。実施基準がなかなかでてこないので、会社が困っていますという話をよく聞きます。
 「具体的な内容が決まらないから困っている」という話よりも、「それが実施基準で決まるか決まらないかわからないから困っている」という話のほうが多いように思います。

 
 例えば、「評価範囲に含めなければならない拠点は、総資産合計の70%以上なければならない」という具体的な数値が見えないから、困っているというよりも、それを実施基準で決めるのか、決めないのかがわからないから困っているように思うんですね。

 「決める」=>実施基準の公表を待つ。
 「決めない」=>実施基準の公表は待たない。

という意思決定ができますからね・・・

 実施基準で決めることと、実施基準では決めないことだけでも、早めにアナウンスしていただけると、現場はすごく助かると思うんですね。

 特に、早めに教えてほしいのは、経営者評価の部分ですね。

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Comments

ん~

「自社で必要と思っている」=>決める
「自社では不要と思っている」=>実施基準の公表を待つ

とは、できないものなんだろうか・・・

なぜなら、
「自分で解を考えずに正解を教わるべきではない」
http://yoshihiro.cocolog-nifty.com/security/2005/04/post_de29.html
と思っているからです。

やることがいっぱいあるので優先順位を決めたいという気持ちはわかるけど、そうなると、忙しい人ほどなおさら、

「(実施基準で)決める」=>実施基準の公表を待つ。

の場合に、実施基準の公表をそのまま使う。
になってしまわないだろうか。と思ってしまったわけです。

この種の基準は、たたき台ではなく、答え合わせに使わないと思わぬ落とし穴にはまるのではないかと心配しているだけなんだけどね。。。

Posted by: 佐藤慶浩 | 2006.09.08 16:13

佐藤さん、コメントありがとうございます。


「自社で必要と思っている」=>決める=>でも自社で必要と思っていることはない。
「自社では不要と思っている」=>実施基準の公表を待つ=>ほとんどすべて

だから・・・

実施基準で「決める」=>実施基準の公表を待つ。
実施基準で「決めない」=>実施基準の公表は待たない。

ということになるのかもしれません。

自社で必要と思っている人も会社の中にはいるのですけど、結局大多数は、そうでもない。だから、法律ができるまでは会社で直そうと思っていなかった・・・みたいなかんじですかね・・・

でも、本質的には、自律的にすべき問題ですから、

=====
「自社で必要と思っている」=>決める
「自社では不要と思っている」=>実施基準の公表を待つ
=====

と会社の人には言います。。。

Posted by: 丸山満彦 | 2006.09.08 21:08

丸山さんへ、

なんかうまく書けませんが、実施基準を読むことになる「人」によるということかもしれません。

実施基準が出ると、それが最低水準であるにもかかわらず、そのレベルでしか物事を考えなくなるようなら、実施基準を先に見ない方がよいのでしょう。
先入観を払拭できないような人と言ってもいいかもしれませんし、最悪の場合は教条主義的になってしまう人と言えます。

実施基準を読んでもなお、自分の判断をそれに加えて、自社にとってどの程度実施するのが適切かを考えられる人は、実施策の策定作業の効率化のために、実施基準で言及される項目は後回しにして、他を先にやるのでよいのかもしれません。
そういう人は、実施基準をたたき台にして、不足を適正に補うことができるのだと思います。

ところが前者においては、必要性の判断すらできない人は結局、実施基準を待つだけということになるというのは、丸山さんの

「自社で必要と思っている」=>決める=>でも自社で必要と思っていることはない。

になってしまうのかもしれませんね。

確かに、必要性を自分で判断するスキルのある人なら、そもそも、先入観を払拭して検証を進めるスキルもありそうです。

そう思うと、最初のコメントは、ちょっと、不毛なことを書いてしまったかもしれません・・・すみません。

最低水準のガイドラインを作成することで、世の中の底上げに役立てようとしているのに、そのガイドラインによって、世の中が最低ラインに張り付くようになっているような気がしている今日この頃です。。。

Posted by: すいとんろう | 2006.09.10 11:59

すいとんろうさん、コメントありがとうございます。

 最初に答えを見てはいけないというのは、そのとおりと思っています。会計監査をする際にも、様々な会計基準に従って開示しているか、それをちゃんと監査できているかについて、膨大なチェックリストがあるのですが、若かりしころ上司から、「チェックリストは最後に自分のやった手続にもれがないことをチェックするために見るもんや・・・」と言われていました。そういう意味では、チェックリストは手続がもれていないことを最後にチェックするものです。

 この制度に対する私のもやもや感を説明しておいたほうがよいかもしれません。

ちょっとそもそも論に戻ってしまうのですが、この制度って、本当に国民が必要と思い導入しているのか?ってところに疑問があるわけですね。

 内部統制ってなんだ?ってところから説明しないといけなかったりする現実を目の当たりにすると、これって国民の意思でできた法律なのか・・・と思ってしまうわけです。

 どっかの国がこの制度を法定化してしまった。その国では、1970年代から義務化の話が出ては消えてと議論が行われていた。しかし、とうとう大きな事件が起こって、議員立法によってあっと言う間に導入が決まった。導入してみると、思ったとおりというか、思った以上というか、費用がかかった。確かに市場の信頼は回復できるのかもしれないけど、費用負担増は予想以上だったのかも知れません。そんな状況で、証券取引所の魅力が減少し、他国の証券取引所に取って代わられるかもしれないという危機感が出てきたのかもしれません。事実、円卓会議では、他国の証券取引所にも同様の制度を導入するように働きかける必要があるという発言がされているわけです。
 ということで、ほとんどの企業の人は、内部統制とは何か、内部統制の評価ってどうするのか、ということについての知識も持っていない中で、法律対応を要求されているわけです。
 こんな状況では、多くの人は何をすべきかについて具体的なイメージを持っていないわけです。従って、何をすれば、どのような効果があるのか、だから何をすべきか?ということもわかっていない人がほとんどなのだと思っているわけです。
 ということで、多くの人が、とにかく実施基準で言われていることをやってみて具体的なイメージをつかんで、それから自分なりに考えてやってみようと思っているのだろうと想像しています。

 ということで、本来ならば答えを見てから問題を解くべきではないのですが、今回は、答えを見てから、問題の意図を読み取っていくというレベルなのだろうと思っているわけです。。。

 実施基準は最低ラインであるわけですが、最低ラインから全体像を段々わかっていくと言うレベルなのだろうと思っているわけです。。。

 そして、私たち大手の監査法人は米国の実務を理解しているので、米国と同じ制度であれば、自信を持って何をすべきかを説明できるのですが、日本の学者か行政機関が日本流を目指してしまった。そうすると、どこに最低限を落としてくるかわからないわけです。あるべき論で進めようと思うと進めれるわけですが、論理的な世界とは違うところで、最低限が決まってしまいそうな予感もあるわけです。

 ということで、何をすればその企業にとってベストであるのかが私たちも見えない。多くの企業の人は何をすべきかも見えていない。
 実施基準は遅れる。しかし、法律の施行は迫っている。東京証券取引所は3年間内部統制の不備があると上場廃止も検討すると言い出しているわけです。
 とにかくルールを早く明確にして欲しいわけです。。。ルールが明確にならないのであれば、ルールで決めない部分を明確にしてくれれば、自分でそこは考えますよ・・・と言うことなんですね。。。。

 ちょっと、まとまりのない文書となりましたが、そんなところですかね・・・

Posted by: 丸山満彦 | 2006.09.11 01:41

丸山満彦 様
初めてコメントさせていただきます。Johnと申します。生協(コープ)というところで内部統制に関する仕事を拝命している経理部員です。
私のところは会社組織ではないので、会社法や証取法による内部統制規制を直接受けることはありません。
しかし、生協の世界でもおかしな会計や不祥事は発生するもので、それを何とかしたいがために内部統制の整備を進めようとしています。
その動きの中で、経営トップや従業員組織に内部統制整備の必要性を認識させるため、社会的に要求される内部統制の程度を示すものとして金融庁で検討中の「実施基準」に注目していますが、これがなかなか出てこないので、ちょっと困っています。

こちらのブログには、内部統制に関する情報を求めてネット上をさまよっているうちにたどり着きました。過去の記事を読ませていただくうちに、私と丸山様が高校の同窓生であろうことも確信しました。以前「自主、自由、自律」について書いておられましたよね。
これからもしばしば立ち寄らせていただき、勉強させていただこうと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

Posted by: John | 2006.09.12 00:29

Johnさん、コメントありがとうございます。

 不祥事を起こさない風土と起こせない仕組みをつくることが重要ですね。不祥事は、経営者がきちんとした内部統制を整備し、運用しないことから起こります。不祥事を起こした当事者もある意味被害者かも知れないという場合もあります。監査等で不正を見つけてしまうと非常につらいです・・・。
 周りの人や家族まで不幸にしてしまうような不祥事を起こさない風土と起こせない仕組みをつくることが、経営者の責務でしょうね。

 なんて、えらそうなことを書いていますが、高校時代の先生に私の高校時代の話は聞かないで下さいね(笑)。。。
 これからもよろしくお願いします。

Posted by: 丸山満彦 | 2006.09.12 08:34

丸山様
2月からblogを興味深く拝読させていただいている一読者です。
タイムリーな情報と、スポンサーがバックにいる内部統制関連サイトではできない「職業的懐疑心」に裏づけされたコメントに感謝しています。

ところで、実施基準もさることながら、昨年12月に公表された「基準案」の確定くらいは先行させて実施してもらいたいものだと考えています。これにより、ITへの対応の外だし、不備の2区分、ダイレクトレポーティングの不採用などの大枠方向性が確認できるのではないかと思います。

一部に、実施基準の検討を受けて、基準にフィードバックされるのではとの見解もあるようですが、どのようなものでしょうか。

Posted by: 鬼太郎 | 2006.09.12 11:25

鬼太郎さん、コメントありがとうございます。実施基準の内容を固めながら、基準案を確定するのかもしれませんね・・・・

Posted by: 丸山満彦 | 2006.09.13 20:37

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