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2006.04.09

デジタル製品のバグ頻発?

 こんにちは、丸山満彦です。2006.04.09の朝日新聞朝刊7面に「バグ頻発 デジタル製品」という記事がありました。デジタル家電などの内臓されている「組み込みソフト」にバグがあって、ソフトの修正などのコストかかるだけでなく、ブランドイメージにも打撃をあたえるので対応に追われているようですね。

 
 この記事によると
●トヨタ プリウスのケース
現象:走行中にガソリンエンジンが止まるトラブル(ただし、走行中には電気モータが回るため安全性に問題はなかった)
対象:2004年~2005年モデル
影響:日本で7万台、海外だ9万台販売されたモデルのソフトを無償で修正

●ソニー ウォークマン
現象:不明
対象:2005年11月に発表した携帯音楽プレーヤー
影響:新製品発売後から5回もソフトを修正

●ソニー ブラビア
現象:視聴時間が累計50日を超えると電源を切れなくなるなど
対象:薄型テレビブラビア
影響:全世界で計40万台

そのほかにも、
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キヤノン、松下電器産業、シャープなど他の有力メーカーのデジタル製品でもバグは日常茶飯事だ。各社ホームページの「重要なお知らせ」コーナーにはソフト修正の告示が並んでいる。
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ということのようですね。

 これから、だんだんとこの問題は深刻になってくるでしょうね・・・

解決策については、
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日本IBMの内永ゆか子専務(開発製造担当)はソフトの整理整頓をすることを勧める。「機能の追加でスパゲティーのようにこんがらがったソフトを戸棚のような階層状に整理し、部品化して再利用する。それがバグ防止の特効薬」
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と書かれています。

ソフトウェアもものづくりと考えると、トヨタの5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)が活きてくるのでしょうか?品質は工程で作り込むとか、準備をしっかり行い、標準化されたプロセスを踏むとか・・・

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Comments

先日、知人というか同志のような古くからの知人でソフトハウスの社長と話しをしていて
「今日、面接に来た女子学生がエジソンの「99%の汗と1%のひらめき」という言葉に感激したと言っていたが、どうも99%の努力が必要と取られるとソフト屋としては困る」
というのですね。

要するに1%のひらめきが無くては99%の努力もムダということですが、マニュアルを用意してしらみつぶしにチェックするという手法では手間は確実に掛かるが、完璧を目指すことが難しいし、それに対してひらめきのピンポイントで問題解決をする方が現実的には有効です。

しかし、その社長との話でも「しかし、昔のように「無いから作っちゃえ」というモノも無いから、ひらめきを活用出来ないね」となりまして、社会全体としてはかなり効率が悪化しつつ、その一方で「なんでこんなことやるの?」という事件が増えてます。

業界や会社によってここらの問題への対応はだいぶ違うと思います。
自動車会社と比較するとほとんどの企業が自動車会社には負ける、といった所でしょうが自動車会社どうしで比べるとトヨタがすごいなんてことになってますね。

なかなか難しいでしょう。
ソフトウェアについては、ビジネスとして成熟する以前に高性能化しすぎたという面があると思います。
性能/価格比で見ているとすでに商売でやれることではない、といったところになり掛かっていて、今後のビジネス展開をどうするか?を決めないといけないですね。

Posted by: 酔うぞ | 2006.04.10 13:05

>「機能の追加でスパゲティーのようにこんがらがったソフトを戸棚のような階層状に整理し、部品化して再利用する。それがバグ防止の特効薬」

はSOAのことを言っていると思われますが・・・・
しかし、モジュール化には変わりがないわけで、例え再利用化できるものになったとしても、直接バグが減るとはおもいません。そのモジュールを多く再利用するから、バグの発見が早まる、、というのが実際だと思います。
東証の例でもそうだったんですが、バグは絶対になくならない、、という前提に立てば、宇宙飛行等で採用されている、全く別のプログラム、即ち、違う人が設計・製作したものを別系統でバックアップとして動かすしかないと思います。それでも、RFPやそれ以前の要求仕様分析も、二重にやる必要がありますが・・・・きりがないですね。
結局、コストと効果のトレードオフには変わりませんが、経営者は企業リスクを考えて判断する必要がますます高まりますね。
具体的な技術的対処策としては、携帯や一部、デジタル機器で採用されている、オンライン・アップデートの仕組みを採用することが必須だと思います。

Posted by: shita | 2006.04.10 15:51

酔うぞさん、コメントありがとうございます。ソフトウェアのバグが理由で損害が発生した場合、製造者の責任が問われることになると思うのですが、これからは、ソフトウェア製造物責任が厳格に問われるようになるかもしれませんね。そうなると、バグのあるソフトウェアを作ること自体が組織にとってのリスクとなるわけですから、そのようなことが起こらないように努力する必要がでてきますね。
 今は、「バグはあるよね。安いのだからこのくらいのバグならしかたないよね・・・」という感じで製造者も消費者も考えていたのかもしれませんが、ちょっとこのあたりの事情も変わってくるかもしれませんね。
 そうなれば、これからはソフトウェアの機能、価格だけでなく、ソフトウェア品質も重要な競争力の源泉となってくるのでしょうね・・・

Posted by: 丸山満彦 | 2006.04.11 00:07

shitaさん、コメントありがとうございます。
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再利用化できるものになったとしても、直接バグが減るとはおもいません。そのモジュールを多く再利用するから、バグの発見が早まる・・・
(中略) 
コストと効果のトレードオフには変わりませんが、経営者は企業リスクを考えて判断する必要がますます高まりますね。
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いずれも、もっともな話です。

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具体的な技術的対処策としては、携帯や一部、デジタル機器で採用されている、オンライン・アップデートの仕組みを採用することが必須だと思います。
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の件ですが、ネットワークにつなげるとウイルス等に感染する恐れもあるので、特定の電子署名がついたデータしか書き込めないなどの方法も検討すべきかもしれませんね。

 

Posted by: 丸山満彦 | 2006.04.11 01:58

最近の電子釜はご飯を炊く時間をプログラムするおとができますが、もしお釜のプログラムにバグがあってご飯が指定時間に炊けなかったら、一体どうやってパッチを当てたらいいのかな。。。

ということを、ずっと考えているのですが、炊飯器レベルではバグなどないとどなたか仰ってください。

Posted by: koneko04 | 2006.04.11 10:50

koneko04さん、コメントありがとうございます。そういう場合は、電気釜ごと替えてくれるような気がします。

Posted by: 丸山満彦 | 2006.04.11 11:47

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