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2006.04.20

Management と Controlの違い

 こんにちは、丸山満彦です。本日、managementとcontrolの違いについてちょっとだけ議論になったので、一つの考え方として、カナダの内部統制のガイダンスであるCoCo No.1 Guidance on Control での記載を紹介しておきます。というか、備忘録です。

 
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■The Canadian Institute of Chartered Accountants
・1995.11 Control and Governance - Number 1 Guidance on Control

THE DISTINCTION BETWEEN CONTROL AND MANAGEMENT
9 An assessment of controls is necessarily an assessment, albeit partial, of how the organization is managed. Nevertheless, control does not constitute everything involved in managing an organization. Control supports the reliable achievement of objectives: it does not tell people what objectives to set. Control can help ensure that the people responsible for monitoring and decision-making have appropriate, reliable information. It can follow and report on the results of actions taken, or of decisions not to act; and the information provided may lead to further management decisions or actions. Control cannot, however, prevent the taking of strategic and operational decisions that are, in retrospect, incorrect. Decisions about whether to act and what action to take are aspects of managing that are outside of control.”

■カナダ勅許会計士協会
・1997.03 統制規準審議会公表ガイダンス第1号「統制に関するガイダンス」
(八田進二、橋本尚訳 駿河台経済論集 第6巻第2号)

統制と管理との間の区分9. 統制の評価は、たとえ部分的でも、組織がどのように管理されているのかについての評価とならざるをえない。それにもかかわらず、統制は、組織の管理に関連するすべての事項を設定しているのではない。統制は信頼しうる目的の達成を支援している。つまり、統制は人々にいかなる目的を設定するのかを命じてはいない。統制は、監視および意識決定に責任のある人々が、適切で信頼しうる情報を得ることを保証するのを助けることができる。統制は、講じられた措置もしくは措置を講じないとの意思決定の結果に従い、かかる結果を報告することができる。その結果、提供される情報により、それから先の経営管理上の意思決定あるいは行動が導かれることになるであろう。しかしながら、統制は、振り返ってみたときに、正しくないという戦略上および業務上の意思決定の採用を防止することはできない。措置を講じるべきかについての意思決定は、統制の埒外にある管理の側面である。
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 これは、CoCoの内部統制の考え方での定義であるので、定義が異なれば当然に異なることになりますね。

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Comments

”Management”というと経営陣、”Control”というとプロセスという日本語が浮かびます。

CoCoの定義では”Managing”とありますが、丸山さんのブログにあります「議論」では”Management”とは何かということで意見がでたのでしょうか。

些細なことになりますが、”management”と”Control”では上に書いたような理由で、オレンジとレモンを比べる世界になるのではないかなと思いました。

Posted by: koneko04 | 2006.04.22 15:51

koneko04さん、コメントありがとうございます。Controlとの対比でのManagementは、経営陣のことではなくて、日本語では、運営とか管理とか言われている意味でのManagementだと思っています。managementにあって、controlにないものとか・・・が話題になりました・・・

Posted by: 丸山満彦 | 2006.04.22 16:24

controlは、compareとrollですよね。要は、記録をとって比較するということですよね。情報の流通的な視点で、法人の神経系みたいなものでしょ。

managementは、限られた資源の最適運用という観点の言葉なので、頭脳の働きかな。

神経と頭脳ということでいかがでしょう。

Posted by: ミスターIT | 2006.04.26 09:02

ミスターITさん、コメントありがとうございます。
マネジメントとコントロール=頭脳と神経・・・。直感的にはわかりやすいかも・・・。
こういうところ、すごいんですよね・・・。

で、・・・controlの語源の話、先に出されてしまった・・・。

controlはcompareが本質で、権威ある規則や公式の記録と比較することのようですね。


CoCoでは、「COSOとの比較」の中で次のようにも言っています。
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COSOでは排除している経営者に特有のいくつかの領域-すなわち、目的の設定、戦略的計画およびリスク管理、そして是正措置-を含めている。CoCoが統制の範囲から除外しているのは、意思決定だけである。
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 何が正解というわけではなくて、こういう立場で内部統制を考えてみました・・・ということです。
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Posted by: 丸山満彦 | 2006.04.26 11:39

>で、・・・controlの語源の話、先に出されてしまった・・・。

で、いまだにcomptrolerという英語があったりしますよね。これってそのまんまじゃないと思ったりしてます。

そういうコントロールに「統制」という後を当ててしまって、それ以降は、日本語の「統制」でみんな考えているわけですよね。
ここらへんは、注意しなければいけませんね。
(「統制」を術語として使っているのであれば、それでいいんですけど、なかなかそういう人だけではないでしょうし)

トラフィックデータに「通信記録」という語をあてて、過去の「記録」だと勘違いして刑事訴訟法の改正案をつくったりすることのないようにね。

Posted by: ミスターIT | 2006.04.27 02:43

ミスターITさん、コメントありがとうございます。
comptrollerという単語は、実務でも使われていますね。仕事でも見かける・・・。
controlと単語は前からあって、それを企業経営に当てはめたのでしょうから、内部統制っていうのは特に難しいことではないと思うんですよね。

Posted by: 丸山満彦 | 2006.04.27 05:49

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