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2006.02.05

ドラッガー 社会的責任

 こんにちは、丸山満彦です。ドラッガー氏の著書の「マネジメント 基本と原則」を読み直している。以前、買ったのだが、どっかにいってしまったので、買いなおした。この著書でドラッガーが社会的責任について言及している部分がある。

 
 社会的責任について、ドラッガー氏は面白い分類をしているので備忘録・・・。

社会的責任の問題は2つの領域において生ずる。

第1に、自らの活動が社会に対して与える影響から生ずる。
第2に、自らの活動とは関りなく社会自体の問題として生ずる。

いずれも、組織が必然的に社会や地域のなかの存在であるがゆえに、マネジメントにとって重大な関心事たるざるをえない。

第1の社会的責任の問題は、組織が社会に対して行ったことに関る責任
第2の社会的責任の問題は、組織が社会のために行えることに関る責任

であり、この2つはまったく異なる性格のものである。

 第1の社会的責任の問題は、ある意味当たり前の話。故意であろうとなかろうと、自らが社会に与える影響については責任がある。世論が反対していない、同業他社から恨まれる、誰からも要求されていないので、このような責任を果たす必要がないというものではない。第1の社会的責任を果たすのは当たり前。
 問題は、どのように処理をするか・・・である。ドラッガー氏は、
1.組織の目的や使命の達成に不可欠でないものは、最小限にする。
2.対応しなければならないものは、それをできる限り収益事業化する。
3.収益事業化できない場合は、自社のみが対応するのではなく、他社も対応しなければならないように政府等による規制をするように働きかける。
という考え方があると説明している。

 第2の社会的責任の問題は、組織が社会の一員であるかぎり、健全な組織は、不健全な社会では機能しえないので、対応が必要となる。

 社会的責任に関する限界でもしごくまっとうな議論がされている。社会的責任に関するもっとも重要な限界は、権限の限界であると説明している。
 責任と権限はいわばセットであり、社会的責任を負うということは、常に社会的権限を要求することを意味すると説明している。
 組織が社会的責任を要求されたときは、必ずそれについて
1.権限を持っているか
2.権限を持つべきか
を自問すべきであると説明している。
 社会的権限を持つべきでないならば、社会的責任を負うことの是非に疑いを持つべきであると説明している。

 なるほどと思わされる話が多いですね。


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