新聞を読みたくない
こんにちは、丸山満彦です。デトロイトに住んでいる時、同僚の若い女性と話をしていると、新聞を読んでいないという。「社会人であれば、新聞を読まないと」・・・という話をしていたら、その女性は、「新聞を読むと朝から暗い気持ちになる。どこどこで、死体が発見されたとか、学校で銃の乱射され、学生が死んだとか・・・。朝からそんな記事を読むと一日がつらくなるので、新聞は読まない。」 どこまで本当のことかは知らないが、確かに新聞には暗い凄惨な事件の記事が多かった。
最近、日本の新聞もそうである。凄惨な事件が多い。特に子供が被害者となる事件が・・・。朝からつらい気持ちになる。いいのか悪いのか知らないが、最近、そういう凄惨な事件の記事を意図的に読んでいないような気がする。
学生時代に同級生が事故で死んだ。お通夜、お葬式に行った。父親が泣いていた。私は、何も言うことができなかった。それほど泣いていた。49日におまいりに行ったときは無言であった。そして一周忌に行ったとき初めて声をかけることができた。「親より先に逝ってはいけない。」一言そういった。返す言葉がなかった。
被害者の冥福をお祈りする。
Comments
以前、あるコンサルタント向けのトレーニングに参加し、メディア論に近い話に参加したことがあったのですが、「人間は、その性として、人の幸福よりも、人の不幸に対して興味を持つ」との研究を聞いたことがあります。テレビ番組でも「いかに悲惨か、不幸か」を報道する番組がおおいですよね。なんか悲しくなってきますね。
ただ、その研究では、「そういう悲惨・不幸なケースを学習することによって、本能的に”予防”に対する意識が働く」と結論付けられていました。(トレーニングはずいぶん前なんで、正確にはうるおぼえなのですが)
なんだかんだいっても結局は人間も単なる生物なのですが、危機に対する対応が高度にアクセラレートされているのと共に、人間の欲がからんで複雑になり、それを逆手にとった商売をするのがマスコミだともいえるのではないでしょうか。人を幸福にすることよりも不安を掻き立てるほうが商売になるというのは、理屈では納得しても、やっぱり悲しいですよね。
Posted by: 下道 | 2005.12.11 13:03
下道さん、コメントありがとうございます。
想像力を働かせるということが重要なんでしょうね。幅広い経験と知識が想像力を広げることになるのでしょうね。
Posted by: 丸山満彦 | 2005.12.12 11:06