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2005.11.28

会社は誰のものだと考えますか?

 こんにちは、丸山満彦です。2005年11月27日の朝日新聞「メディアウォーズ12私はこう見る(キヤノン社長御手洗冨士夫氏)」の記事がありました。この記事は敵対的買収(経営者の意志に反する買収のこと?)について御手洗社長に質問しています。しっかりとした知識、経験、信念をお持ちの方にインタビューする際はインタビューアーをよく吟味しないとレベルが違いすぎて恥ずかしい思いをすることになりますね。
 さて、夏井先生も指摘しましたが、会社は誰のものか?という問いは論点がはっきりしないのでこういう問いは無駄です。株式会社では、株主が株式を通じて所有しているとしかいいようがありません。ヤフーが6月に実施したアンケート(回答者はヤフーのリサーチモニター544名)の結果だと、会社は
・株主のもの=31.6%
・社員のもの=25.2%
・代表取締役のもの=15.6%
・社会全体のもの=15.3%
・社長のもの=7.4%
・その他=4.9%
だそうな・・・

 
 されにこのうち、株保有者のみに次のような質問をしています。
企業のどのような側面を重視して投資判断をしていますか?

・収益性=84.0%
・知的財産(ブランド価値含む)=38.7%
・経営陣の能力=30.4%
・社会的責任=23.2%
・リスク管理=17.0%
・社員の能力=14.4%
・環境対応=14.4%

だそうだ・・・

 御手洗氏の言葉を拾っておきます。

=====
「(楽天は)株主総会で堂々と論争すればいい。会社の経営統合は社長ではなく総会が決めるものだ。経営者は株主に負託されて経営しているのだから責任を持って判断すべきだが、最終決定するのは総会だ。」

-企業価値とは何ですか
「長期的、持続的に成長する力だ。」

「私はキヤノン株を長期間持ち続け、長い目で会社を育ててくれる株主に焦点を当てて、配当中心の株主政策をやっている。株を今日買って明日売るような株主には焦点を当てていない」

「日本では、社内の労働組合が経営陣と話し合って給料を決めていることからわかる通り、従業員と経営陣が非常に近い。従業員のステークホルダーとしての重みを無視した企業合併・買収(M&A)は大変難しい。(敵対的買収で)モラールが落ちて人材が流出した時にはじめていかに大きなステークホルダーだったかを自覚するのではないか」

-敵対的買収への防衛策は、どうあるべきでしょうか。
「ちゃんとした経営で企業価値をあげていくことが王道だと思う。持続的発展を遂げ、株主に配当し、従業員や社会を満足させていれば(防衛策は)必要ないのではないか」
=====

 ごもっともです。



このブログの中の意見は私見であり、所属・関係する組織の意見ではないことをご了承ください。

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Comments

丸山 様

夏井です。

「経営者」という仕事は本当に大変な仕事であり,うっかりするとすぐに官僚化してしまうスタッフをそうさせないように注意しながら,企業という組織それ自体としては安定して運転できるようにしなければなりませんし,そのための資金を得るために利益も計上しなければならない。また,株式会社(公開会社)の場合には一般株主も含めた会社の所有者の意思を反映させた経営をしなければならないのですが,そのためにマンションの鉄筋を抜くような違法行為を絶対にしないことは勿論のこと諸々の法的要件や会計監査上の基準及び情報セキュリティや個人情報保護のための要求事項などをすべて満たすように行動しなければならず,かつ,社会全体に対して積極的に貢献できるような経営思想も持たなければなりません。

そうしたことを実現するためには,なみなみならぬ資質・能力・経験が必要であるとともに,優れた判断力と実行力と責任感が伴っていなければならないし,とりわけ,明確な企業理念や信念のようなものをもっていなければなりませんね。とても大変な仕事だと思います。それゆえに,男女年齢を問わず,真の経営者は「経営者であること」に誇りをもつことができるわけだし,そうあるべきだとも思います。

さもないと,株主も従業員も債権者も顧客もその経営者についてこないだろうと思います。

リスクテイクとは,そうした経営者に対する信頼のあるところではビジネスに生きる者として当然の判断の一つとなります。しかし,そのような信頼を欠いたところでは,空虚であり詐欺的でもありますね。

個人的なことで恐縮ですが,私の妻は,同社長の講演を聴講する機会があり,帰宅後,「立派な方だ」と感激しておりました。

Posted by: 夏井高人 | 2005.11.28 10:53

夏井先生、コメントありがとうございます。

 経営者の発言が新聞や雑誌などに掲載されることがありますが、そこでの発言の端々からその経営者の資質というのが垣間見れますね。
 組織のそれなりの地位にいる方は、そういうところまで人から見られているということですね。
 古今東西問わず、優れた経営者、政治家というのは、すばらしい言葉を残していると思っています。

Posted by: 丸山満彦 | 2005.11.28 16:29

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