日本取締役協会 独立取締役コード
こんにちは、丸山満彦です。少し古いですが、2005.10.14に日本取締役協会から独立取締役コードが公開されていますね。
このコードは、独立取締役のミニマムスタンダードを提供することを目的としているようですね。
気になったところをいくつかピックアップ・・・
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3.1. 独立取締役とは、実質的にみて、当該会社の経営者、および、あらゆる特定の利害関係者から独立した判断を下すことができる(非業務執行)取締役をいう。
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委員会設置会社では、取締役が業務の執行をすることを禁止されていますが、委員会設置会社以外のうち取締役会設置会社では、代表取締役及び取締役会で選定された取締役が業務の執行をすることになりますね。
ということは、委員会設置会社の取締役と取締役会設置会社のうち業務の執行をすることになっていない取締役になりますね。
で、実質的に見て独立性が疑わしいと思われる場合の例示が、次に書かれているようですね・・・
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3.3.1. 当該会社の大株主またはその利益を代表する者。
3.3.2. 当該会社の経営者または従業員である(あった)者。
3.3.3. 当該会社のグループ会社の経営者または従業員である(あった)者。
3.3.4. 当該会社と重要な取引関係がある(近い過去にあった)別の会社の経営者または従業員である者。
3.3.5. 当該会社のアドバイザーとして、取締役としての報酬以外に高額の報酬を受け取っている(近い過去に受け取っていた)者。
3.3.6. 3.3.1 条から3.3.5 条までのいずれかに該当する近親の親族を有する者。
3.3.7. 会社間における取締役の相互兼任(インターダイレクターシップ)がある場合の取締役である者。
3.3.8. 当該会社の取締役に就任してから、すでに長期間を経過している者。
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ちなみに、会社法での「社外取締役」の定義は
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社外取締役
株式会社の取締役であって、当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役(株式会社の第三百六十三条第一項各号に掲げる取締役及び当該株式会社の業務を執行したその他の取締役をいう。以下同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人でなく、かつ、過去に当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人となったことがないものをいう。
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興味深いのは、経営者の親しい友人に関する記述ですね。
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〔経営者の親しい友人〕
経営者の親しい友人については、経営者からの独立性を有する者とはとても言い難いとする意見がある一方で、経営者の真の友人ならば経営者の耳に痛いことも言えるだろうから、独立取締役としてむしろ適任者である、という意見もあり、難題の一つといえる。
しかしながら、親しい友人が真の友人とは限らず、ある局面においては真の友人を、取締役の責務と友人の情の相克に巻き込むおそれもあり、あまり歓迎すべき事態とはいえないだろう。賢明な経営者はそのような事態は避けるべきと考えられる。
真の友人についての客観的な定義は難しく、当面は各企業において友人についての固有の判断基準を設けることが望ましい。
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独立性はあくまでも精神の状態の話であって、友人というのは人の関係の話でありその態様が様々なわけですから、この切り方は難しいでしょうね。
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