COSO Guidance for Smaller Public Companies Reporting on Internal Control over Financial Reporting exposure draft
こんにちは、丸山満彦です。COSOが小規模会社のための内部統制のガイドライン草案を公開しています。
■COSO
・COSO LAUNCHES NEW GUIDANCE INITIATIVE FOR SMALL BUSINESSES
・・Guidance (PDF:4.67MB )
小規模会社が抱える要因として・・・次のようなことを挙げていますね。
(Exective summaryの14ページを丸山的に意訳しました・・・)
1.職務の分離が困難
2.経営層が鶴の一声できめてしまう
3.優秀な独立取締役や監査委員の確保が困難
4.優秀な経理マンの確保が困難
5.ITコントロールの有効性の確保
小規模会社では統制活動よりも、経営者のTone the topが組織全体に行き届きやすいので、統制環境によるコントロール、経営層が業務に精通していることが多いので、分析などのモニタリングを通じたコントロールが強く効くように思いますね。
多くの人がすぐにコンテンツに目が行くと思いますが、フレームワークをまず理解してからコンテンツを理解するほうが全体像が見えますね。
ちなみに、パブリックコメントは12月31日までです。
このブログの中の意見は私見であり、所属・関係する組織の意見ではないことをご了承ください。
Comments
丸山 様
夏井です。
「2.経営層が鶴の一声できめてしまう」は、よい面と悪い面とがありますね。
非常に優れた経営陣であれば、鶴の一声のほうがずっとうまくいきます。でも、現実を見ると・・・
この問題は、何千年も前から今日に至るまでずっと議論されてきた政治学上の基本問題のひとつですね。たぶん、将来いつまでたっても解決不可能な問題のひとつなのでしょう。(笑)
Posted by: 夏井高人 | 2005.10.28 11:08
夏井先生、コメントありがとうございます。この問題は、中国の歴史と同じくらい長い間解決できていない問題ですね。子供のころから帝王学を教えていても、帝王になってから優秀な助言者をつけても、でもやっぱりできない。
非常に優れた指導者がいれば、常に育つシステムがあればよいのですが、それが難しいのは歴史が証明していますね。民主主義が最良とは思わないが、他の方法が見つからないということですね。。。
Posted by: 丸山満彦 | 2005.10.29 04:13
丸山 様
夏井です。
ほんと難しいですね。
仮に本当に「名君」と呼ばれるのに相応しい人物であったとしても,何年か経つ間に,傲慢になったり,真面目に為政者でいることに飽きてしまったり,堕落してしまったり・・・と言うのが普通で,死ぬまで名君でいられる人はほとんど皆無だろうと思います。
旧米沢藩の上杉鷹山公は「名君」と呼ばれました。しかし,それは,当時の米沢藩が完全に財政破綻しており,それこそ死ぬまで財政再建と取り組まなければならないような過酷な状況下にあったからこそ成立した歴史的事実だったのだろうと思います。きっと,とても責任感の強い方だったのでしょう。でも,もし財政再建に簡単に成功してしまい,お金がザクザクという状態になっていたら,おそらく堕落してしまっただろうと想像します。
唐の玄宗皇帝は,生涯の前半では「名君」と呼ばれ,則天武后以来の混乱を解決して唐の繁栄をもたらしたとされていますが,途中から政治が嫌になってしまい,女色に狂って駄目になってしまったことは有名な歴史的事実です。
民主制であると貴族制であるとを問わず,どのような社会政治システムの下においても,1人の人間にずっと任せきりにすることなく,新たな優秀な人材が交代でトップを担当することが大事なのでしょうね。歴史上の事例としては,黄金期のベネチア共和国にそのような例を見ることができます。
Posted by: 夏井高人 | 2005.10.29 07:58
夏井先生、コメントありがとうございます。名君が名君でありつづけること、名君が名君でなくなる前に名後継者に引き継ぐこと・・・これは、本当に難しい。
晩節を・・・という話は良く聞くし、二代目は・・・という話も良く聞きます。
自分に照らして考えると、まだこれからというところなので、誠実に生きるためには・・・まだまだ、自分に厳しくなる必要がありそうです。
Posted by: 丸山満彦 | 2005.10.29 13:40