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2005.10.19

自民党 実効性ある内部統制システム等に関する提言

 こんにちは、丸山満彦です。自由民主党の総合経済調査会企業統治に関する委員会、法務部会商法に関する小委員会、金融調査会企業会計に関する小委員会の名前で、「実効性ある内部統制システム等に関する提言」が公表されています。

 
■自由民主党
・2005.10.13 実効性ある内部統制システム等に関する提言
・・PDF

実効性ある内部統制システム等を構築するための4つの提言として、

(1) 会社法および証券取引所規則での開示
●法務省令に事業報告における記載事項を適切に定めるべく早急に検討すべき。
●企業が適切に内部統制システム等を開示することができる記載事項を検討することが重要である。

(2) 取締役および監査役の「社外性」
●社外取締役および社外監査役について、属性等につき法務省令に基づき開示するよう早急に検討すべきである。

(3) 財務報告に係る内部統制
●財務報告に係る内部統制報告書制度については、監査や開示についての企業の負担等、費用対効果を勘案しつつ、財務報告に対する信頼性確保という基本精神を外さないよう留意し、国際的に遜色ない制度とするよう早急に検討すべきである。
●監査人の交代性にかかわる期間の短縮(原稿の7年から5年程度)等を含め、外部監査のいっそうの独立性等を確保していくための方策について幅広く検討すべきである。

(4) 不祥事防止を促す環境整備
 罰則等の在り方について、検討すべきである。

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 SOXのように経営者に対する厳しい罰則が必要ではないかなぁ・・・・。その代わり経営者はもっと報酬をもらってもよさそうですね。



このブログの中の意見は私見であり、所属・関係する組織の意見ではないことをご了承ください。

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Comments

丸山 様

夏井です。

内部昇進で経営者のポストを埋めるシステムである限り,普通の給与体系の一部として役員報酬が決まるので,高額の報酬を与えることは難しいと思います。

原則として内部昇進によって役員になるのではなく,多数株主が外部から経営陣をスカウトしてくるシステムであれば,利益をあげた経営者に対して相応の報酬を与えることは多数株主の利益にもつながることなので,比較的問題なく実行可能でしょう。なぜなら,この場合の経営者はいわば多数株主の手先であり仲間でもあるからです。

要するに,株式会社の経営を本当に公開会社としての経営にするかどうかで役員報酬の決め方も変わってくるのではないかと思います。

また,このような公開会社の経営者は,株主のために利益をあげることが当面の最大の目標となります。だからこそ,そのために手段を選ばないような経営者,外見上利益をあげているように見せかけるために粉飾をする経営者などに対しては厳罰をもって臨まなければならないということになるわけです。

いずれにしても,真に公開会社として株式会社を存在させるかどうかによって「ものの見方」も変わってくるし法政策なども変わってくるでしょう。実態が個人商店なのに形式だけ公開会社だということで米国流の内部統制をそのまま導入してみても,決してうまくいかないだろうと思います。なぜなら,経営者が誰のために何をするために存在しているかという目的論のところで最初から違うレールを走ってしまうからです。


Posted by: 夏井高人 | 2005.10.19 08:24

夏井先生、コメントありがとうございます。米国の経営者は経営の理論を学んで、実践を積んで経営者となるわけですが、日本の経営者の多くは、経営の理論を学ばずに、営業成績を積んで経営者となる人が多いように思います。そういう人は、法律の知識も、会計の知識も不十分で、株式会社の仕組みや、会社の法令順守の重要性、適正な会計報告をすることの重要性を十分に理解していないのではないかと思っています(全員がそうであるわけではないですよ・・・)。
 公開会社については、監督と執行の分離を法的により明確にしていく必要があるように思ったりしています。

Posted by: 丸山満彦 | 2005.10.20 06:40

丸山 様

夏井です。

なかなか難しい問題ですね。

個人的には,公開会社と閉鎖会社,大会社と小会社のカテゴリーだけを考え,その組み合わせてある4通りの種類の会社だけを社会制度として承認すれば良いのではないかと思っています。

ただし,日本国内のみで事業を展開している企業の場合,閉鎖会社のスタイルを採用して,個人商店の利点を大いに活かした企業運営をしたほうが良い場合が多いように思います。

反対に,企業活動を海外でも展開したいと考える大会社の場合には,いやでも公開会社とせざるを得ない面はあります。また,その場合には,経営陣というもののとらえ方それ自体を根本から改めないと全然歯が立たないということが言えそうです。もちろん,日本人ではない経営者を迎える必要のある場合もあるでしょうし,誰が経営者になった場合であっても,成功すれば相応の報酬を与え,失敗すれば冷酷に更迭してしまうといったドライな環境整備を大いに推進することも必要になるだろうと思います。野球でたとえて言えば,いわば球団オーナーに相当するのが多数株主であり,野球監督に相当するのが経営陣ということになりますね。

Posted by: 夏井高人 | 2005.10.20 08:03

夏井先生、コメントありがとうございます。今回会社法が改正され、閉鎖会社と公開会社に分けて法制ができましたので、うまく利用していけばよいのではと思います。事業を拡大するために多額の資金が必要であれば、多くの出資者を募ることになるのでしょうが、そうすれば経営者の立場も変わることを理解しなければなりませんね。
 監査法人も上場の支援を行ったりしているわけですが、経営者に対して、「上場すると立場が代わることを何度も説明しているようですが、なかなか理解されない・・・」とぼやいていることを聞いたことがあります。
 自分が自由に使える金が増えた程度の理解しかないのかもしれません。そういう経営者は、上場企業の経営者としてふさわしくないとして、経営者を辞めてもらうか、出資者に出資金を返還し、上場廃止にするほうが社会的にはよいのかもしれません。ただし、その判断基準を客観的にするのは難しいですね。
 出資者がちゃんとガバナンスを効かせて経営者を監視することが重要になるのでしょうね。見込みがない経営者の株式は暴落する前にさっさと売ってしまうのがよいのでしょうね。

Posted by: 丸山満彦 | 2005.10.20 08:43

丸山 様

夏井です。

会社法の制定(商法の改正)により,以前よりはずっとすっきりした制度になったのはそのとおりですね。

でも,法律の条文をよく読んでみると,まだまだごちゃごちゃした法制になっていると思います。

ところで,経営者の錯覚と言えば,株式の発行によって調達される資金についての錯覚もあると思います。

資金の調達は,株式の発行だけではなく社債などの借入金によってもまかなわれます。借入金の場合には,利子という利益を貸主に提供し続けなければなりませんが,これは定額(定率)で決まっています。
株式の場合には,配当という利益を株主に提供し続けなければならないはずなのですが,配当可能利益がなければ配当しなくてもよいので,まず自分がやりたいことを「経費」として使ってしまい,株主への配当にまわず利益を計上しないで赤字にしてしまってもぜんぜんかまわないと考えている経営者も決して少なくないようです。しかし,それは,はっきり言って,「背任」と同じことをしていることになりますね。
会社に投資された財産は,経営者を満足させるためのものではなく,配当によって株主に利益をもたらすための原資だということが完全に忘れ去られているわけです。

ここらへんの錯覚が存在するために,何だか妙な議論や意見が百出してしまうのでしょう。

丸山様も御指摘のとおり,見込みのない経営者が経営している会社の株はどんどん売ってしまうのが正しいのですが,そのためには,正しい情報提供がなされていることが重要です。

だからこそ,有価証券報告書や監査報告書などには虚偽が混入することが絶対に許されないわけです。

また,マスコミ(ビジネス雑誌などを含む。)でも客観的なファクトだけを報道し,特定の経営者や投資家を褒めることもけなすことをせず,まして崇拝したり神聖視したりはしないという姿勢を厳格に貫くべきです。そのような客観的な情報提供をするという姿勢を貫かないと,社会全体を誤導する行為をしていることになり,場合によっては,放送法などの関連法規に反するようなことにもなってくるでしょうし,(特に株価を違法に変動させた場合などには)それ以上の厳しい法律違反になってしまうこともあるでしょう。

Posted by: 夏井高人 | 2005.10.20 09:01

夏井先生、コメントありがとうございます。貸借対照表の見方ですね・・・。ざっくり言うと貸方(右側)は企業の資金の調達を、借方(左側)は調達した資金の使途(投資内容)をあらわしていますね。
 そして資本金は、払込資本と資本投下により獲得した利益に分かれます。払込資本は株主がもともと払い込んだものなので、これは維持する必要がある。そして、獲得した利益は、本来ならば株主に全額配当すべきであるが、多くの場合は今後の投資(最終的には株主に配当する)のために留保します。利益処分は株主が自分のお金をどのようにするのかを決める話なので絶対株主総会で決めなくてはなりませんね。
 ということで、株式会社は効率よく儲けることが第一で、そのために経営者は法律を守りながら最大限の努力をしなければならないわけですよね。そういう努力をすることもまた法律で規定されている。。。

Posted by: 丸山満彦 | 2005.10.20 18:44

丸山 様

夏井です。

公開のblogではこれ以上深入りできないのでやめときますが,結構あくどいことってありますよね。

配当すべき利益があるはずなのに,利益がないようにしてしまうことって,かなり広範かつ普遍的に観察可能な現象であり,経営者の奴隷になり下がっている監査人もかなりたくさんいるようです。

Posted by: 夏井高人 | 2005.10.20 18:49

夏井先生、コメントありがとうございます。そういう監査人がいないと思いたいのですが、最近事件が多いので、つらいですね。
 業界的には、そういう人に対しては厳しく対応しないと、結果的にダメになりますね。

Posted by: 丸山満彦 | 2005.10.21 01:46

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