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2005.10.27

厚生労働省の見解? 医療機関への捜査照会・協力は可能

 こんにちは、丸山満彦です。UZENさん、情報ありがとうございます。このブログでも、・2005.10.17に個人情報保護法が捜査の障害となっている?という話を載せましたが、厚生労働省が警察庁と調整しているようですね。

 
■日経新聞
・2005.10.21 医療機関への捜査照会、協力は可能・厚労省が見解

によると・・・

===
厚生労働省は20日、医療機関での個人情報取り扱いに関する事例集(Q&A)に「捜査照会への協力は従来通り可能」などとする項目を追加する方針を固めた。警察庁と協議を始めている。
===

ということのようです。

法律の解釈は法律の解釈なので、運用を変えるということなのか、法律の解釈をより具体的に示すということなのか、法律の解釈を変えるいうことなのか・・・

■このブログ
・2005.10.17 個人情報保護法が捜査の障害となっている?

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Comments

丸山 様

夏井です。

似たような相談はときどき受けますね。(笑)

個人情報保護法では例外条項を絞ったので解釈・運用上の迷いが生じているという状況なのだろうと思います。
行政機関の解釈だけですべて済まされて良いはずがないので,最終的には裁判所の判断を待たなければなりませんが,この関係の研究者にはもっときちんと実情を踏まえて(フィールドワーク的な調査や実務体験なども十分に経験した上で)きちんとした解釈論をどんどん提供してほしいと思っています。

ちなみに,現実に一番問題となっているのは,独立行政法人等個人情報保護法でしょう。ややザル法的な部分が多く弊害や濫用事例が顕著ですね。立法の段階で「うまくしてやられた」という感が強いです。

Posted by: 夏井高人 | 2005.10.27 08:49

私がいつも思うのは、こういったガイドラインやFAQなど、内容が変更・追加
されるのは結構重要なので、もし変更したら変更したよってアナウンスを
きちんと内閣府国民生活局が(取りまとめて)行って欲しいんですよね・・・。

個人情報保護に関するガイドラインの修正にあたっては、各省庁が個々に
パブリックコメントを行って、その結果も公表するようになっていますが、
国民生活局のホームページにはその進捗状況がぜんぜん反映されていない。

いちいち、各省庁のHPで確認するが、改訂案に係る意見募集結果を見ても、
その時点では「速やかに告示する予定です」とだけ書かれていて、いつ
告示(FIX)することになるのか良く分からない。で、ちょっと見逃して
いると、いつの間にか官報に載っていたりする・・・。
(官報なんて、毎日チェックしないでしょう・・・)

総務省のガイドライン(電気通信分野)の改訂についても、

■「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」
 の改訂案に係る意見募集結果
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050926_3.html

こういった経緯について、国民生活局のホームページではまったく
フォローしていない。
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/kojin/gaidorainkentou.html

さらにひどいことには、この総務省のガイドライン、既に10月17日に官報で
告示されているにも関わらず、国民生活局のホームページではアナウンス
もされていないし、ガイドラインへのリンクすら古い方に張ってある。

もう、探すのが大変・・・。国民生活局にとっては、個人情報保護法の
ガイドラインは「終わったこと」って雰囲気なんでしょうかねぇ。
アップトゥデートしなければ、意味無いと思うんですが・・・。
完全に国民に向けて周知や理解の醸成を図ろうという意思が感じられ
ないんですよね・・・。

ちなみに、告示された最新版の総務省ガイドライン(電気通信分野)は、
以下のところにありました。

●電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/d_syohi/telecom_perinfo_guideline_intro.html


<電気通信事業者協会 プレスリリース>
●迷惑メール等送信行為に係る携帯電話・PHS加入者情報の交換について
http://www.tca.or.jp/japan/news/051026.html

こういったことをすることができるようになるのは、ガイドラインが
修正されたからなんですから、国民/ユーザへの周知は重要だ
と思うんですがねぇ・・・。


Posted by: uzen | 2005.10.27 12:35

丸山 様

夏井です。

PDCAサイクルの中での「周知徹底(education)」の部分が欠落しているということなのでしょうね。

国民に対して,「個人情報保護をしなくても良い」という国家政策を宣伝しているようなものなので,早急の改善を望みたいですね。

丸山様のような民間人がボランティアで情報を整理しないと誰にも分からないなんて,根本から間違っていると思います。

国民から無理やりとりたてた税金は,このようなことにこそ用いるべきものでしょう。

Posted by: 夏井高人 | 2005.10.27 17:18

UZENさん、夏井先生、コメントありがとうございます。
インターネットのもっとも大きな意義というのは、コミュニケーションが簡単にできるようになったということだと思っています。ただし、インターネットは単なる「手段」ですから、その手段を活用しようとする「人の意志」と「人の知恵」が必要ですよね。その部分が欠落していると、どんあ良い手段があっても活かせませんね。
税金ですからね・・・。増税もあるようだしね・・・。税金を有効活用しないとだめですね。

Posted by: 丸山満彦 | 2005.10.28 10:19

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