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2005.09.05

新量子暗号Y-00の安全性

 こんにちは、丸山満彦です。量子暗号の新しい方式で、長距離、高速な暗号通信ができるとして注目されているのが、Y-00暗号方式です。ところがそのY-00暗号が通常の古典的なストリーム暗号と等価の計算量的な安全性しか保証しないという論文が発表されて議論になっているようですね。

 
 量子コンピュータができると既存の暗号が破られて役に立たなくなっていしまうといわれていますね。そのため、量子暗号に期待が言っているようです。量子暗号の中でも、通信回線中の情報を暗号化する際に利用するの量子暗号が話題となっています。

 私も技術的なことはよくわからないのですが、従来から研究されていたのが、不確定原理を利用した単一光子方式(BB-84)だそうです。私が今年のRSAカンファレンスの会場でみた量子暗号装置も、これだったと思います。つまり、光子の状態を情報として通信します。情報を盗もうとする(=光子を途中で観測(検出)することになる)と、光子になんらかの作用を行うことになり、その光子の状態が変化するため情報の漏えいの可能性を検知することができる。だから、安全だということのようです。この方法で暗号鍵を安全に配信すれば、安全ということです。

 今回、話題となっているY-00暗号方式は、単一光子方式ではなく、「量子ゆらぎ拡散暗号方式」というものだそうです。光を観測(検出)する際に発生するランダムなゆらぎ(「量子ゆらぎ」というそうです)を利用するものだそうです。(よくわからん・・・)。
 この方式の強度が通常の古典的な暗号と同程度な強度しかないということのようです。

■NICT
量子暗号技術の研究開発

 しかし、量子暗号だと、途中で誰かがずーっと盗聴していると、情報は解読できないかもしれないけど、データがいつまでも届かない・・・ってことはないのでしょうか・・・

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■CNET-Japan
・2005.09.02 新量子暗号「Y-00」は旧式並み? 安全性否定論文で大論争

今井研究室
今井研究室リサーチモノグラフシリーズと各種資料
・・2005.05.18 2005年「大域ディペンダブル特論」講義資料 暗号と情報セキュリティ(PDF)

■玉川大学
量子情報科学研究施設
・・2004.11.23の日刊工業の記事
  http://www.tamagawa.ac.jp/SISETU/GAKUJUTU/pderc/rqcs/news.pdf

【その他参考とした資料】
量子暗号―安全な暗号鍵の配送実験―東京大学 高柳英明

■総務省 
・2003.11.20 量子情報通信研究推進会議 報告書 量子情報通信技術研究開発戦略



このブログの中の意見は私見であり、所属・関係する組織の意見ではないことをご了承ください。

 

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Comments

単一光子量子暗号 BB-84 ならば、2010年の秋にはもう破られています。Nature Optics という有名な学会誌に掲載されました。(もう古いネタ)

http://www.nature.com/nphoton/journal/v4/n10/full/nphoton.2010.214.html

その後、理論的な不備がみつかり、BB-84 はかつて高らかに宣言したように"無条件安全"ではないこともわかりました。

Y-00 に関してはまだ安全性に関する決定的な理論は出ていないようですが、少なくとも旧来のストリーム暗号と等価ではありません。

BB-84の研究者たちがY-00のネガティブキャンペーンをやっているだけではないでしょうか。

Posted by: -t | 2011.06.13 08:32

 -tさん、コメントありがとうございます。非常に貴重な情報提供ありがとうございます。最新の情報を集めていませんので、勉強させて頂きます!。

 ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします!!!

Posted by: 丸山満彦 | 2011.06.13 10:25

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