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2005.09.02

ネットと選挙

 こんにちは、丸山満彦です。セキュリティとは関係ないのですが、衆議院選挙が公示され選挙活動が始まりましたね。ネットとの関係でいうと、公示日以降はウェブページの改定が公職選挙法との関係で行えないなどの問題が新聞にも多く書かれていますね。
 

 
■日経新聞 2005.09.01 夕刊5面
・永田町インサイド 衆院選スペシャル
・・ネット選挙 法は想定外 公示を境にホームページ沈黙 公選法現実にそぐわず

 として特集を組んでいますね。

ちょっと気になったことを拾うと
=====
・総務省幹部は「公選法の意味は『砂場で書いた文字でも文書図画』だと旧自治省時代から言われてきた」
・「銀の身分にかかわる問題は政府提案ではなく議員立法が望ましい」というのが永田町の慣例。
・ネット選挙に反対する人は「第三者による誹謗中傷が激しくなる」「インターネットを使えない支持者が多い党に不利になる」などの理由を挙げる。
・高齢者のインターネット利用率も増加傾向で「ネット選挙を禁止する理由にはならない」との声も多い。
・民主党は公示日の30日、HPのトップページで岡田克也代表の第一声の内容を紹介、動画も掲載した。これに総務省選挙課が動いた。「公職選挙法上、極めて問題が多い。適切な対処をお願いしたい。」
・自民、民主のHPでは公示後もマニフェスト(政権公約)を閲覧したり印刷できる。総務省は「マニフェストの配布場所を演説会会場に限定した公選法に定職する可能性がある」としている
=====

 また、民主党のメールマガジンの2005.09.01発行の号にて、メールマガジンを選挙戦中は発信を中止すると書いていました。(複数政党のメールマガジンを読んでいます。)
 このメールマガジンによると、「メールマガジンで通常の政治活動の一環として、党の政策やそれに関わる情報、幹部の日程などをお知らせしてきました。」ことが、公職選挙法第142条(文書図画の頒布)に違反すると総務省から指摘されたようです。これまでは自民党も他の政党も同じようなことをしてきて指摘を受けていなかったのに、今回の選挙で突然総務省に指摘されたと説明していますね。

 公職選挙法第142条の解釈によると文書図画に当たらない音声は良いということですから(これまで認められないと選挙運動になりませんね。)、ウェブページの画面を変えずに、候補者音声だけを流すということならできるように思えますね。

 そもそも法はインターネットを想定していなかったので、民主主義を貫くためには、ネット利用を見据えた法改正が必要なのかもしれませんね。
 
 民主党のメールマガジンによると、「民主党は、従来より、インターネットの選挙への利用について、透明で明確な明文による法定化を求めてきましたが、常に与党によって、阻まれてきました。まさに今回、その問題点が明らかになりましたが、我が国の民主主義にたいする重大な問題が発生いたしております。」と書かれています。

 民主党のメールマガジンだけを取り上げるのは不公平なのですが、自民党のメールマガジンは既に削除してしまっていたので、すみません。

 結局、国民が行動をしていくのがよいのでしょうね。

【参考】
公職選挙法

●総務省
IT時代の選挙運動に関する研究会について
・・2002.08 報告書

●政党
自由民主党
民主党
公明党
日本共産党
社会民主党
国民新党
新党日本

その他、議員個人でもブログやウェブページをもっている方もおられますが、それは省略します。

●総務省
平成17年版 情報通信白書(HTML版)
・・第1章 特集 「u-Japanの胎動」・・・
・・・第2節 国民のICT利用
・・・・1 ICT利用の進展
・・・・・図表[2] 年代別にみたインターネット利用率(excel)




このブログの中の意見は私見であり、所属・関係する組織の意見ではないことをご了承ください。

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Comments

個人情報保護法と選挙に関する話題ですが・・・。

http://news.www.infoseek.co.jp/politics/story.html?q=07jijiX099&cat=1
「政党など政治団体への提供は例外」なんでしたっけ?

http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20050909i201.htm
こちらは、ちょっと言い回しが違うようです。
しかし、
「労組などの団体名簿に記載された個人情報をもとに、投票を依頼する電話をかける」
というのは、電話をかける主体が政治団体のメンバーなら、労組→政治団体に名簿が流れているということで、労組側に問題があると思うのですが・・・。

Posted by: uzen | 2005.09.09 18:45

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