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2005.09.11

カネボウ粉飾 会計士立件へ?

 こんにちは、丸山満彦です。今朝(2005.09.11)の朝刊は、もちろん選挙関係の記事が多いのですが、日経、朝日新聞ともカネボウ粉飾で担当会計士が刑事責任を問われるかもしれないという話が出ていました。

 
 刑事事件として告訴されることになると、
(1) そもそもこれが粉飾決算であったのか(適正な会計基準に違反していたのか)
という問題がるのですが、仮に粉飾決算だとした場合

(2) 担当会計士がどの粉飾決算に対して適性意見を出したことに対して
 1)過失なのか
 2)合意の上の故意なのか
という問題だけでなく

(3) このような粉飾決算を見抜けなかった監査法人の品質(審理)管理体制
も問題となるでしょうね。

更にお金の面でも、
(4) 監査法人に対する損害賠償責任は

という話も出てくるでしょうね。
 米国では、アンダーセンがエンロン事件をきっかけとして崩壊しましたが、それはある意味、会計監査制度が制度として適正に機能していた証かもしれません。社会に受け入れられていたからこそ、社会はアンダーセンという監査法人がいらないという選択をした。。。ということなのでしょう。
 もちろん、今回の問題は、まだ立件もされていないし、そもそもエンロンと比較していいのかどうかも事実関係を知らない私には分かりませんので、なんとも言えませんが・・・。

 監査は絶対的な保証、つまり、誤りがまったくないことを保証しているわけでは無いのですが、このような重大な粉飾決算(だとしたらの話ですが)を看過してしまっては駄目だと思います。

 日本で、重大な粉飾決算に対する監査法人の責任がうやむやのままで闇に葬られるとすれば(もちろん、この問題を人ごととは思っていません。)、それは、会計監査制度そのものが、社会から必要とされていないということの証なのかもしれません。
 
====
■日経新聞(紙面)
・2005.09.11 カネボウ粉飾 会計士立件へ詰め 東京地検特捜部債務隠ぺい容疑 中央青山に所属

(前略)
 帆足被告らは会計士と複数回面会し、債務超過を回避する方針を伝達。会計士はこの方針に従い、黒字額を圧縮する微調整をしただけで、資産超過に装ったウソの決算書の作成に協力。最終的には虚偽の認識を持ちながら、「適正意見」を出したという。
(後略)

■朝日新聞(紙面)
・2005.09.11 会計士立件 検討へ カネボウ粉飾東京地検 虚偽記載に関与か

■日経新聞
・2005.09.11 カネボウ粉飾決算事件、公認会計士粉飾関与の疑い

■朝日新聞
・2005.09.11 カネボウ粉飾 会計士の刑事責任検討へ 虚偽記載関与か

■読売新聞
・2005.09.11 カネボウ事件、東京地検が会計士を共犯で追及へ

■毎日新聞
・2005.09.11 カネボウ監査:中央青山の会計士が虚偽報告の疑い

■東京新聞
・2005.09.11 カネボウ粉飾 会計士の刑事責任追及へ
(前略)

 中央青山監査法人は取材に対し「粉飾行為が巧妙で、見破れなかった」と話している。
(中略)
関係者によると、カネボウの会計監査を担当した公認会計士らは、決算書類の不審な点を指摘して修正させることもあったとされるが、最終的に粉飾行為を黙認し、決算を「適正」とする監査報告書を発行していた疑いが持たれている。
 特捜部はカネボウに対する強制捜査の際、同監査法人を家宅捜索し、会計監査の実態についても調べを進めていた。
 同監査法人の幹部は「カネボウが粉飾決算をしているという認識はなかったが、結果に対する責任は感じており、内部調査を進めている」と話している。

=====

【参考】このブログ
・2005.08.08 カネボウ粉飾 監査法人が取引先の債務超過を過少報告?
・2005.07.30 カネボウ粉飾決算事件 監査法人に家宅捜査



このブログの中の意見は私見であり、所属・関係する組織の意見ではないことをご了承ください。

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