損保不払い14社で50億円超す でも構造的な問題ではない
こんにちは、丸山満彦です。2005.09.16の朝日新聞朝刊9面に、損害保険会社の不払い額が14社で13万件以上、金額にして50億円を超えているというニュースが載っていました。日本損害保険協会の児玉会長(あいおい損保社長)は、このような事故が起こった背景として、「特約ごとに原因が違い、問題が入り組んで発見できなかった。ミスの積み重ねであって、構造的な問題ではない」と強調した。
■朝日新聞 2005.09.16朝刊 9面
・損保不払14社で50億円超す 調査終了分13万4821件に
===新聞より===
保険会社 |
件数 |
金額 |
あいおい損保 |
29,526 |
10億4142万円 |
損保ジャパン |
27,260 |
9億1194万円 |
日本興亜損保 |
22,087 |
7億8257万円 |
東京海上日動 |
17,934 |
9億6013万円 |
富士火災 |
14,175 |
6億2055万円 |
ニッセイ同和損保 |
10,290 |
3億1521万円 |
共栄火災 |
8,629 |
2億6152万円 |
スミセイ損保 |
2,423 |
6921万円 |
朝日火災 |
1,082 |
2966万円 |
ソニー損保 |
598 |
2801万円 |
セゾン自動車火災 |
405 |
1136万円 |
セコム損保 |
258 |
754万円 |
三井ダイレクト |
78 |
332万円 |
ソンポ24 |
76 |
216万円 |
合計 |
134,821 |
50億4457万円 |
問題の背景にには、激しい商品競争で、特約がどんどん複雑になり、契約者が無いようを把握し切れなくなっている現状がある。この結果、保険金の請求や不払いに対する苦情がそもそも出にくくなっている。にもかかわらず、損保側は支払い確認のシステムを十分整備せず、長年不払いを放置してきた。
(中略)
今回の調査は、大手を中心に対象期間を過去3年に限ったところが多い。資料の保存期間などが理由だ。
(後略)
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ミスの積み重ねが起こっているからこそ、構造的な問題なのだと思います。このような問題が起こることは、内部統制が適切に構築されていないからだと思いますね。
さらに、それが構造的な問題ではないと思っているというのは、統制環境に問題がるような気がしますね。
損害保険関係の企業は、社会的責任(CSR)をよく宣伝していますので、どのような社会的責任の果たし方をするのかを見守りたいと思います。日本の社会的責任の手本となることを期待します。
ところで、ほとんど詐欺行為のような話だったと思うのですが、不払いだった金額に対して金利を上乗せして払ったのでしょうかね・・・。
【参考1】この件に関する日本損害保証協会のコメント
・協会長ステートメント(2005/09/15)
(ほんのちょっとしか書いていないので良く探してくださいね。。。)
【参考2】この件に関する上位5社のウェブページ上での発表
■あいおい損保
・2005.09.06 保険金のお支払いに関する調査結果について
■損保ジャパン
・2005.09.05 保険金のお支払いに関する調査結果と今後の対応について
保険金のお支払いに関する調査と対応について
■日本興亜損保
・2005.09.06 保険金支払いの調査結果について
■東京海上日動
・2005.09.07 保険金等の支払い状況の自主調査結果と今後の対応について
■富士火災
・お詫びとご報告
・・保険料差異の返戻
・・追加支払いに関する対応完了
このブログの中の意見は私見であり、所属・関係する組織の意見ではないことをご了承ください。
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