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2005.07.29

「そびえ立つ監査の番人」

 こんにちは、丸山満彦です。2005.07.28の金融新聞の一面がサーベンス・オクスリー法の話でした。監査報酬が平均で61%増加したという報告書があるようですね。

 エンロン事件、ワールドコム事件以降、市場の適正性を担保するためにサーベンス・オクスリー法がとおり、経営者に対する責任、監査人に対する監督が強化されましたね。
 監査人も、監査人を監督するPCAOBも自らのリスクを少なくするように、厳しく対応することになり、企業のコストを押し上げている・・・というのが主張のように読めました。

 アメリカの監査コストは高いですね。うらやましい・・・(って、アメリカで働いている時からそうおもっていたのですが・・・)

Foley & Lardner LLP
Foley SOX Study Finds Cost of Being Public Rose 33 Percent for Small and Mid-Sized Companies
・・The Cost of Being Public in the Era of Sarbanes Oxley

 

FY2001

FY2002

FY2003

FY2004

小規模会社

3620万円

4850万円

5670万円

1420万円

中規模会社

7160万円

9510万円

11350万円

21770万円

大規模会社

29340万円

4480万円

48090万円

74430万円

全規模

15970万円

21900万円

26000万円

41730万円

小規模会社 S&P Small-Cap
中規模会社 S&P Mid-Cap
大規模会社 S&P 500
1$を100円で換算

 JICPAニュースレター2005年4月号に平成15年4月期から平成16年3月期までの監査報酬額が載っているのですが、
証券取引法監査の連結財務諸表提出会社で

売上高1兆円以上で平均が5848万円ですね。

(連結子会社が別途契約している子会社、海外子会社が現地の監査法人に支払っている監査報酬を含んでいないと思われる。)

=====
前年比

 

FY2001

FY2002

FY2003

FY2004

小規模会社

-

34% Up

17% Up

84% Up

中規模会社

-

33% Up

19% Up

92% Up

大規模会社

-

38% Up

19% Up

55% Up

全規模

-

37% Up

19% Up

61% Up


 監査費用は平均で1.6倍になったようですね。中小企業のほうが負担増って感じをうけそうですね。

同じく日経金融新聞の13面では、金融庁の企業会計審議会内部統制部会長を務める青山学院大学の八田進二教授が答えています。
====
先行して導入した米国では、企業のコストが急増している。
 「内部統制監査は人にたとえると定期健康診断を受けるものと考えて欲しい。健康診断は病気の人もそうでない人も毎年、診断を受けることを義務付けられている。内部統制監査は企業の将来性を加味し、病気の芽を早くに摘もうという予防監査だ。企業には重装備の監査を想定せず、もう少し軽く考えて欲しい」
 「そのため、基準案作りでは費用対効果の視点を取り入れ、企業へ配慮した。財務諸表と内部統制を同じ公認会計士が監査し、資料集めなどで効率化を図る。(不正発生リスクが高い分野に監査時間を費やす)リスク・アプローチの手法も取り入れた。企業が支払う監査報酬を導入前後で比較すると米国は二倍にふくらんだが、日本は一・五倍に満たないだろう」
====
と書かれていました。

 同じことをするのに、米国でやるのと日本でするのとで手間が変わるわけではないです。日本での監査時間が米国よりも少ないということは、日本の監査の保証水準が米国の監査の保証水準より少なくなることを意味していますね。
 監査法人に「監査費用を値切れ」といっているのでしょうかね・・・




このブログの中の意見は私見であり、所属・関係する組織の意見ではないことをご了承ください。


 

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