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2005.07.20

契約締結時に厳格な本人確認をせずに開示請求時にのみに厳格な本人確認をすることの是非

 こんにちは、丸山満彦です。先ほど紹介して、国民生活センターの個人情報相談窓口開設3ヶ月間の相談概要ですが、事例が結構面白いですね。例えば事例2の「加重な開示等の手続に関する苦情」・・・

 



【事例2】過重な開示等の手続に関する苦情

【質問】
カタログが定期的に送られてくる食品の通信販売を利用していたが、先週、電話でカタログ送付の停止と個人情報の削除を申し出たところ、定型の書面に運転免許証のコピーと住民票の写しの原本を添えて提出するよう求められた。本人確認のためという。住民票の写しを取り寄せるとなると、時間も費用もかかる。単に個人情報の削除のためにこのような書類を提出する必要があるのか。

【回答】
業者はガイドラインに則った対応であると主張した。しかし、そもそもの契約を締結した時には、厳格な本人確認は求められておらず、個人情報の利用停止等の場合のみ、当該本人が確かに存在することを公的書類で示さなければならないということはバランスを欠いていると考えられ、契約をしていた本人であることを証明できれば本人確認という点では十分であり、顧客番号やパスワードで本人確認ができないかどうか、当センターより業者に伝えた。その結果、書面の提出の他、口頭で顧客番号とパスワードを伝えることで、個人情報の削除に応じられることとなった。


 通販なので、例えばインターネットで申し込んでウェブ画面から個人情報を取得しつつ、開示請求等になれば住民票を提出しろという場合ですね。パスワード等の方法により本人であることが確認できるのであれば、住民票の提出を求めるのはバランスを欠いているだろう・・・という話なのでしょう。

 こんな話を聞いたことがあります。

 Aさんの電話番号が、誰か知らない人によりX社他数社に登録され、以後、Aさんのところに勧誘電話がたくさんかかるようになった。Aさんは、自分の登録されている個人情報を開示請求をしようとしたところ、Aさん本人の住所が間違って登録されていたため、Aさんではないのでは・・・と言われたそうです。
 こちらは、登録時の本人確認も重要と言う例ですね。

まぁ、業者も業者だったんでしょうが・・・

 登録時の本人確認と開示等の請求時の本人確認が同一でなければならないとは限りませんが、個人情報を取得する場合は、簡単な手続でできるようにしておき、開示等の手続では非常に大変な手続にしてしまうのは、バランスを欠いているということになりますね・・・。
 なるほど・・・。


このブログの中の意見は私見であり、所属・関係する組織の意見ではないことをご了承ください。

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Comments

開示請求に重い手続があるのは仕方ないということは理解されると思う。

この事例の場合、「電話でカタログ送付の停止と個人情報の削除」という要求に過度の本人確認があったとすると、それには、粗悪業者が送付停止を回避しようとする場合の他に、誠実な業者が真に受けて対応しようとした場合という両極端に分かれるものと思う。

単に、「電話でカタログ送付の停止」を要請すればよいのに、法律に削除という言葉があるため、削除まで要請したのではないだろうか。

業者がまっとうであれば、「個人情報の削除」を承るということは、一切の削除をしようとする。
ちゃんと削除した場合には、その後の開示請求では、存在しないと回答することになる。
本人からの削除要求ならばよいが、本人ではない者からの削除要求で、誤って削除を完全に実施してしまうと、その後、正当な本人からのあらゆる本人関与に対応できなくなる。
持っている個人情報を本人に無断で完璧に削除するということは違法ではないが、大きな苦情になることはまちがいない。
そのため、「削除・消去」については、本人確認を十分にするというのは、必ずしも過度ではないのではないかと思われる。

もちろん、単に、停止要求を回避したいという粗悪業者もいるだろうが・・・

Posted by: 佐藤慶浩 | 2005.07.20 at 22:40

最適解さん、佐藤さん、コメントありがとうございます。

 経済産業省のガイドラインには開示請求時に本人確認の重要性が書かれています。本人に成りすました他人が、個人情報を不正に取得しようとしたり、訂正、削除等を行い、サービスの提供等が受けられなくなったり、不必要なサービスの申し込みなどを防止しなければならないと考えたからです。
 例示として、住民票等による本人確認手段などが書かれているわけですね。
 他人に成りすまされて本人の情報にアクセスでき、その内容を訂正等できてしまうと問題になってしまいますね。

 私が書いた登録時に成りすまされていた事案では、成りすまされた本人が開示請求しようとしても開示できないことになってしまって変な話となってしまいます。

 開示対応については杓子定規に考えるのではなく、バランスをとりつつ、うまくやっていかないと難しい面がありますね。

 心根の悪い事業者ほど法律の穴をついて法律に違反していないと主張し、まじめな事業者ほど法律にまじめに対応しようとしていろいろと悩ましいジレンマに陥ってしまうということが少なからずあるように思いますね。

 個人情報保護法で幅広く規制を強化すると、あちこちで問題が起ってくるので、個人情報保護法はゆるめで、問題が起った部分(事業分野など)に既存の業法などで規制するのがよいのかもしれませんね。

Posted by: 丸山満彦 | 2005.07.21 at 07:07

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