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2005.07.26

想像力を養うために・・・(安藤忠雄氏の考え方)

 こんにちは、丸山満彦です。リスクの識別をする場合は、想像力が無いとね・・・。昨日(2005.07.25)の日経新聞5面で、建築家の安藤忠雄氏のインタビュー記事がのっています。なかなか、興味深い話です。


 新聞記者が「最近の鉄道事故やその後の対応のまずさは想像力の欠如が一因という指摘もあります。現代人は想像力をなくしたのでしょうか。」という質問に対して、

 安藤氏は「想像力は頭の中の働きだと思われがちですが、そうとばかりは言えません。実際に行動することで他社の痛みが分かり、見えないものへの想像を働かせられるようになる。想像力は感動体験とか生活感覚の中から生まれてくるものです。それが無い人に想像力を求めても無理です。」「・・・感動を伴う経験をしなければ、想像力など身につきません」と回答していますね。

 「経験が足りないから想像力が衰えるのか」ということについて、

安藤氏は「人間はプロセスを踏んで成長していくこと、つまり年齢に応じた経験を積み重ねていくことが必要です。・・・社会のデジタル化でプロセス軽視、体験軽視の傾向は強まるばかりです。いろんな意味で、心のそこから感動することが少なくなってしまい、頭の中ですべてを了解したと思い込んでいる。」と回答しています。

 養老孟司氏も体験の重要性や、脳(意識)で作り出す世界の限界などを本で書いていたと思います。

 頭は分かったつもりになろうとします。でも、本当のことは分かっていないのだろうと思います。経験を通じて体で覚えるというかしみこませる・・・ということは非常に重要ですね。
 そういう経験がたくさんあれば、経験と経験の隙間のことだって、かなり想像力を働かせて埋めることができそうですね。



このブログの中の意見は私見であり、所属・関係する組織の意見ではないことをご了承ください。

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Comments

丸山 様

こんばんは。

自分に自信のありすぎる人は,経験豊かであり,かつ,潜在的には想像力豊かな人であっても,全然駄目ですね。

また,好奇心のない人も全然駄目ですね。

そして,自分にとって都合のよいことでも都合の悪いことでも関係なしに,ものごとを公平に見る気持ちと,自分に都合のよいように捻じ曲げてものごとを考えないようにする自制心のようなものがないと全く駄目ですね。

フランシス・ベーコンは,このようなことをだいぶ昔に説明し切っています。

自信過剰にならず,常に冷徹に事実を観察し続け,その背後にある一般原則を見抜こうとするあくなき探究心を持ち続けることが大事なのでしょう。

Posted by: 夏井高人 | 2005.07.26 22:46

夏井先生、コメントありがとうございます。確かに同じ体験をしても、好奇心をもちつつ、冷静に事実を観察し、その背景にある原則を見抜こうとすることできる人とそうでない人では、そのアウトプットは異なるものとなるでしょうね。
自信過剰は、真実を見つめる目を曇らせてしまいますね。
 このあたりのバランスをとれる人が意味のある想像力を発揮できる人になれるのでしょうね。

Posted by: 丸山満彦 | 2005.07.27 02:37

ここ3,4年前からでしょうか、タバコを火が点いた状態で道端にポイ捨てする人をよく見かけるようになったんですよね。

自分の手を離れたそのタバコがその後どうなるか?(どうなる可能性があるか?)という単純なことすらイメージできなくなっているような気がします。

「死ぬとは思わなかった」などという発言も、昔はそんなに聞かなかったような気がします。(そのころは自分が子どもだったからかもしれませんし、昔が全て良かったなどと言うつもりも毛頭ありませんが・・・)

「感動を伴う経験」だけじゃなく、「痛みを伴う経験」も必要なのかもしれません。本当の痛みは体験させられなくても、シミュレータみたいなもので擬似的な痛みを体験させることはできないものなのか、と時々思います。

Posted by: uzen | 2005.07.28 00:37

UZENさん、コメントありがとうございます。
痛みを伴う経験も含めて、心に響く経験が必要なのだと思います。

あと、問題は、そのような経験をしても月日と共にその思いが減少していくことですね・・・。

常に意識していなければならないのかもしれませんね。

Posted by: 丸山満彦 | 2005.07.28 07:23

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Tracked on 2005.07.27 22:32

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