被害者匿名の発表増加
こんにちは、丸山満彦です。今朝(2005.06.26)の朝日新聞の社会面に「被害者匿名の発表増加 警察などプライバシー目的 山梨ではウソ年齢 被害者「情報操作心配」」という記事がありました。
事件や自己を発表する警察などの公共機関が、被害者を匿名で発表する傾向が強まっているという。遺族の了解が得られないなどの理由だそうだ。被害者が特定されないように年齢を偽って発表して問題となったケースもあるようです。
朝日新聞が確認したところでは、秋田、埼玉、岐阜、滋賀、奈良などの警察では、原則として殺人などの重大事件・事故意外、被害者を匿名で発表しているようです。匿名で発表する理由は、
① 後難からの被害者保護
② 被害者のプライバシー保護
③ 事件が軽微なため実名発表する必要がない
などのようです。
長野県警では、交通事故で死者がいない場合は当事者と匿名発表する方針にしたそうだが、「読者の知る権利を制限する」という記者クラブの申し入れにより原則実名に戻したそうです。
山形県警では、原則実名発表として、被害者側が匿名報道にして欲しいと要請している旨を記者側に口頭で伝え、後の判断は報道機関の責任に任せているそうです。
警察庁のコメントは、「被害者の個人情報の公表について判断基準はない。プライバシー問題などがある中で、発表に、これらの問題を上回る公益性があるかを考慮し、ケースに応じて各都道府県警が判断している」ということのようです。
一方、被害者側も、プライバシーの問題だけを言っているのではなく、警察が情報を独占して情報操作をすることを問題視して、「警察は被害者に関する情報を明らかにすべきだ。被害者の人権に配慮して報道するのはメディア側の責任。捜査の実態をチェックして欲しい。」と言っている被害者もいるようです。こうなると、報道機関がプライバシー保護の責任を負うことになりますね。
被害者の名前を公表することによる被害者の名前を公表することによる公益性と被害者側のプライバシー問題のバランスをどこで取るのかと言う問題と、だれがそれを判断するのかという問題があるということなのでしょうか。
どっかのシンポジウムのネタって感じですかね・・・にしてはあまりにも対立関係になるのでしょうかね・・・。温泉につかりながらの雑談ならOKなんでしょうかね・・・
このブログの中の意見は私見であり、所属・関係する組織の意見ではないことをご了承ください。
Comments
韓国の新聞の日本語サイトを継続的に読んでいますが、韓国の事件報道では「金某」といった表現がディフォルトですね。
正直に言って、韓国の新聞の犯罪報道を読んでいると、報道で個人が特定出来ないと「あの人は犯人だ」といった流言が出てきそうな印象があります。
まぁ日本では一般に報道とかインターネット情報も含めて過度に信用しているのではないか?という印象もありますが・・・・・。
しかし、その反面で通名問題というのもあります。
親の話では終戦直後の連合軍兵士による強盗事件などは新聞の検閲でそのものズバリでは報道出来なかったそうで「浅黒き巨漢の強盗「カネカネトケイ」と言って・・・・」なんて記事があったそうです。
どうも「ルールを決めればなんとかなる」というのを過度に信じすぎじゃないでしょうかね?
Posted by: 酔うぞ | 2005.06.26 13:41
酔うぞさん、コメントありがとうございます。いろいろな立場の人が様々な角度で検討を重ねていけばよいのでしょうね。
Posted by: 丸山満彦 | 2005.06.28 01:23