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2005.06.17

住民基本台帳カードの普及率0.43%と住民票自動交付機の設置

 こんにちは、丸山満彦です。総務省からの発表で住民基本台帳カード(住基カード)の普及率が0.43%という結果が報告されていた。私も実はもっていない・・・。私の知り合いで持っている人は3名いるが、1名は使った事が無いと言っていた。
 という状況の中で、2005.06.16の日経ITプロに「住基カード:進まぬ住民票の自動交付機設置 普及低迷で悪循環」という話が載っていた。

 
■日経ITプロ 2005.06.16
住基カード:進まぬ住民票の自動交付機設置 普及低迷で悪循環

 この記事で気付いたのですが、「住民票 自動交付機設置」というものを見た事がありませんね・・・。ネットで調べて見ると例えば、

佐賀市の場合
高山市の場合
江戸川区の場合

とのっています。見ていたけど気付かなかっただけかもしれません。登記などの場合に住民票が必要となったのですが、住民票だけというわけにはいかないし、数年に1回しか行かないし・・・

 あまり恩恵が無い人に分類されそうですね。
だから、

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住基カード交付枚数が8241枚(同1・3%)と全国5位の江戸川区は03年12月から、6300万円をかけて区内9カ所に計10台の自動交付機を設置した。導入後も保守管理費などで年間4000万円が必要だが、発行数は今年5月までの1年半で住民票類が4615枚、印鑑証明が5172枚にとどまる。同区地域振興課は「PR不足の面もあり、まだ区民によく知られていない。普及が進むように努力したい」と話す。
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と言われても、 窓口ですむ事を別に自動化しなくてもよいのでは・・・と思ったりもします。

 自治体の場合の場合は電子化しても人があまり減らないので財政面ではマイナスになるような気もします(もちろん、今までできていなかったサービスの提供ができるようになるとは思いますが・・・ただ、今までしていなかったというのは優先度(必要度)が低いということかもしれないのですが・・・)

【ベンダーの考え?】
■富士通
多機能カードを市民サービスとして提案
日本一の発行率を達成した宮崎市の秘策

■日立
東京工業大学 フロンティア創造共同研究センター 大山永昭教授 「住民基本台帳カードに関する諸動向 ~施策の狙いと普及に向けた課題~

【総務省の考え】
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 自動交付機の導入が進まない現状について、総務省市町村課は「住基カードを使う場所があまりないから利用が少ないという悪循環が生じている」と分析しながらも、「自動交付機に限らず利用メニューを増やせば便利さが実感できる。そのためにも住基カードの多目的利用を推進したい」と訴える。
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【園田先生の考え】
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 一方、住基ネットに詳しい園田寿・甲南大法科大学院教授(情報法・刑法)は「国民が住基ネットに漠然とした不安を抱いている証拠。住民票の写しなどは住基カードがなくても受け取れるので、高額な機器の導入は税金の無駄遣いになる」と指摘している。
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このブログの中の意見は私見であり、所属・関係する組織の意見ではないことをご了承ください。


【参考】
【住基カード発行部数】
Juki-net(総務省)
住民基本台帳カード(住基カード)の交付状況等について(住基カード交付枚数都道府県別内訳、多目的利用実施市区町村)(平成17年3月末現在)(PDF)

住民基本台帳ネットワークシステム調査委員会
(平成16年3月末現在)

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Comments

私も住基カード持ってますが、どっちかというと電子納税に便利という感じですよ。
地方自治体によっては、住基カード以前に専用のカードを配って、住民票や印鑑証明等を自動交付できるようにしているところが少なくありません。上記でも、佐賀市はもともとそうだったのでしょう。それに住基カードが加わったということで。
自動交付機の最大の利点は、土日や場合によっては夜間などの窓口時間外に住民票等の交付が受けられることです。平日めったに休めない職種の人には嬉しいでしょうね。ただ、それを住基カードと結びつける必要は必ずしも高くない。住基を使った交付機は日本中どこの住民票も取れる、なら意味があるのですが(例えば勤務先の最寄りの役所から自分の住居の住民票が取れるなど)、それにはいろんな意味で長い道のりがありそうです。

Posted by: 上原哲太郎 | 2005.06.17 at 10:05

丸山 様

夏井です。

この問題は,もっと深いところで考える必要もありそうです。

一般に,日本人は「おとなしくなった」と言われ,最近ではデモ行進を見かける機会は稀有になってしまったし,右翼の街宣活動までもがかなり紳士的(?)になったと思います。(笑)

だから,プライバシー侵害の懸念のあることなどについても抗議活動をすることはほとんどない。

しかし,日本人は決して何も考えなくなってしまったわけではなく,「何もしない」という無抵抗の抵抗によってその意志を実現することがあります。

住基カードついては誰もその必要性を認めていない一方で,住基データベースの相互接続などによってプライバシー侵害の懸念が高まったと認識している人が少なくないでしょう。そうした人々は,決して住基カードを利用することがない。

要するに,「何もしない」という行動を通じて強く抵抗しているわけです。

それなのに「宣伝が足りないから」ということだけを考えるとすれば,それは,最初から致命的な欠陥を含む戦略決定だというべきでしょう。

時には「名誉ある全面撤退」や「降伏」が必要なこともあります。

この問題は,RFIDタグの問題についても同じように言えるでしょう。

一般的に,何も批判がないように見えるときは,実は最も厳しく非難されているのかもしれません。会議の最中でも議長や座長などが聴く耳を持たない人だと分かっているときには,出席者は何も発言しませんね。聴く耳を持つと信頼されているリーダーには誰でも率直に意見を言います。でも,無言でシャンシャンと(円滑に?)会議が進むときには,みな面従腹背状態になってしまっているかもしれないわけですよ。

Posted by: 夏井高人 | 2005.06.17 at 10:11

上原先生、コメントありがとうございます。問題は、住基ネット+カードの普及が住民への不安+コストとの比較で明らかに意義があったかだと思います。質的な要因を含むので必ずしも確定的に計算することができないのですが、「自動交付機の最大の利点は、土日や場合によっては夜間などの窓口時間外に住民票等の交付が受けられることです。平日めったに休めない職種の人には嬉しいでしょうね。」という人のためにどれだけのコストとリスクをかける必要があるのか?ということだと思います。
 

Posted by: 丸山満彦 | 2005.06.18 at 07:23

夏井先生、コメントありがとうございます。

「「宣伝が足りないから」ということだけを考えるとすれば,それは,最初から致命的な欠陥を含む戦略決定だというべきでしょう。」というのは、まったくその通りだと思うんです。

国民の率直な意見を良く聴くことが重要だと思うのです。この政策に対して、国民がどれほど信頼しているのか?ということを考えるべきだと思うんです。

Posted by: 丸山満彦 | 2005.06.18 at 07:29

わたしは横浜の住人で会社を持っているわけであります。
住民票が必要なんてことは滅多に無いわけですが、これはそれこそ駅に同居している施設で入手可能なので、非常に簡単です。
ところが法人用の手続きは横浜市中区にしかない、早い話が半日仕事になります。

なんて言いますかね、一時間に一本も電車来ない人に、新幹線は便利です。と言っても新幹線通勤することにならない、なん感じでしょうか(^_^;)

Posted by: 酔うぞ | 2005.06.19 at 16:51

酔うぞさん、コメントありがとうございます。

 住民票が必要なことはあまりないし、滅多に使わないもののためにわざわざ手続きをして利用しようなんて思わないんですよね。

 宣伝不足ではなく、戦略ミスだと思うのです。

 ミスを挽回しようとあせると更に大きなミスを犯すことが多いので、心配ですね・・・


Posted by: 丸山満彦 | 2005.06.19 at 18:00

どうも。

件の住民基本台帳カード持っています。
2枚も!(一枚は、世田谷区、もう一枚は川崎氏。用は引っ越して、返していないということです)。

さて、住民基本台帳カードですが、あまり使い道ありませんねぇ。確定申告の電子申請に使えるのですが、3月にがんばろうと思ったのですが、やはりちょっと敷居が高い。

で、写真付きの方なら公的な身分証明書として運転免許代わりに使えるかなぁと思い、あちこちの窓口で出してみています(笑)。

郵便局では住所変更、個人特定郵便の身元保証として使えました。
銀行(三井住友)も住所変更のときと、カード紛失時の身元保証として使えました。あと、うちの父が定期預金(東京三菱)を解約するときに使えたといっております。

証券会社(野村、松井)で電子取引用口座開設には使えませんでした。

そうそう、TSUTAYAのレンタルでも使えました。

意外と使えます。

老人でかつ運転免許を持っていない場合の公的な写真付きの身分証明書としては10年有効で比較的安価(2000-3000円程度)に使えそうです。うちの両親は愛用しています(笑)。

ただ、その反面、サラ金でも使えるようなので注意も必要ですね。新聞をにぎわしていた事例もありますし。

Posted by: ryu | 2005.06.19 at 23:39

RYUさん、コメントありがとうございます。あの・・・川崎市のものはちゃんと失効手続がされているのでしょうかね・・・、なんて・・・。

 なるほど、確かに写真付の公的身分証明書としての機能がありますね。

 ただし、本当の住基カードかどうかを見分けれる人が少ないという問題点があったりしますね。

Posted by: 丸山満彦 | 2005.06.20 at 13:47

世田谷区から川崎市に転出したので、今生きているのは川崎市のほうです。

> 本当の住基カードかどうかを見分けれる人が少ないという
それはありますね。
一応、自治体の長の印が入っているので偽造したり捏造すると公文書偽造になるんでしょうかね?

また、失効しているか否かの確認はどうするのかとかまぁ、いろいろありますがそれなりの機能は持つでしょう。

健康保険書もカード形式になり、写真付きにも出来るそうですし、自動車を運転できない自動車免許も発行してくれると聞いたことがありますしねぇ。

公的に個人を保障できる身分証明書は結構、難しそうですね。

Posted by: ryu | 2005.06.20 at 21:33

RYUさん、コメントありがとうございます。RYUさんのコメントを読んでいて思ったのですが、良く考えると住基カードは、A年A月A日に生まれた性別Bという人間がその親からCという名前をつけられて、住所Dに居住していると住民基本台帳に登録されていることを示しているわけですね。顔写真はその後につけられるわけですね。なので、他の情報とはちょっと違うような気がしますね。また、住民基本台帳カードに基づいて登録される運転免許証に記載される情報ともちょっと違うような気がしますね・・・

Posted by: 丸山満彦 | 2005.06.21 at 01:22

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