新入社員の4割は良心より社命を優先する
こんにちは、丸山満彦です。(財)社会経済生産性本部の調べによると、「自分の良心に反する仕事でも、会社のため指示のとおり行動するとした割合が2年連続して4割を超え、新入社員の倫理面での悪化傾向が伺える。」ようです。
■ (財)社会経済生産性本部 2005.04.27
・第16回 2005年度新入社員 意識調査 (要旨)
一般にアンケートは設問の仕方、回答者の属性などを気をつけて読まないといけないと思いますが、アンケートの結果は次の通りのようです。
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(Q)上司から会社のためになるが、自分の良心に反する手段で仕事をすすめるように指示されました。このときあなたは、
①あまりやりたくないが、指示の通り行動する。 43.3%
②できる限り避ける。 41.1%
③わからない。 15.6%
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昨年も40%を超えていたようです。
このブログの中の意見は私見であり、所属・関係する組織の意見ではないことをご了承ください。
Comments
>回答者の属性などを気をつけて読まないといけない
気になったので属性のPDFを見てみました。
2005年の特徴としておもしろいのは、
・従業員規模の比率(300人未満:300人以上)が、例年ほぼ5:5なのに2005年は3:7になっている
・業種としては製造業が半減し、その代わり運輸・通信と金融・保険・不動産が伸びている
点でしょうか。(職種の研究・開発職の半減は製造業半減の連動でしょうか)
これが全体の傾向なのか、たまたま得られた回答がこうだっただけなのかはわかりませんが、なかなか興味深いです。
>新入社員の倫理面での悪化傾向が伺える
昨今の新入社員は、就職活動で結構苦労していると思いますので、この質問に回答するとき彼らの脳裏には
社命に逆らう→クビになる→再就職が大変
という図式が浮かんでいたのではないかと思います。
なので、単純に新入社員の倫理観が悪化したというよりも、比較されるもの(再就職大変)の方が重くなっただけなのかもしれません。
(もっとも、天秤の針が容易にそっちに振れちゃうことも含め「倫理面が悪化」と言われればそれまでなのですが)
Posted by: waka | 2005.05.02 10:19
wakaさん、コメントありがとうございます。調査結果などでは、背景情報などは消されて数字だけが一人歩きをし、それに基づいて様々な意思決定がされていくことがあるので注意が必要ですね。
調査結果を読む場合は、常に背景情報を含めて解釈する癖をつけておくことが重要ですね。
Posted by: 丸山満彦 | 2005.05.02 14:02