« 個人情報保護法 頭の体操17 | Main | 米国の会計検査院は情報セキュリティ監査でがんばっている »

2005.04.21

住民基本台帳の大量閲覧に自治体はどう向き合うべきか

 こんにちは、丸山満彦です。IDCジャパンが電子自治体ポータルとして、「e・Gov」という雑誌を発行しています。自治体の状況がわかるのでいつも大変重宝しています。2005.05号の特集の一つに「個人情報保護対策」があり、「住民基本台帳の大量閲覧に自治体はどう向き合うべきか ~住民基本台帳における大量閲覧の実態調査より~」という記事がありました。興味深く読ませていただきました。住民基本台帳の閲覧制度を悪用した暴行事件が起こったこともあり、制度改正も検討しているようですから、まさに時期にあった特集ですね。

 
 住民基本台帳法では、住民基本台帳の閲覧を認めているので、正当な目的のために住民基本台帳を閲覧することは違法とは言えません。私も住民基本台帳の閲覧を1度しかしたことがなかった(自分が住んでいた自治体でどのようにできるのかを確認した時だけ・・・)ので、97ヶ所(88市区町村)での調査結果は興味深いものです。

■閲覧用リストの作成方法

 住所順 45件
 世帯順 31件
 50音順 16件
 その他  5件 (生年月日順、独自コード順)

 実際の閲覧で読み取れるのは基本4情報(氏名、住所、生年月日、性別)だが、住所順や、世帯順に並んでいると家族構成の情報まで提供してしまっている。と指摘している。なるほど、その通り。実際、この住所順の情報が悪用され母子家庭世帯リストが作られ暴行事件へとつながっているわけである。

■閲覧目的内容を確認するための書類の提示・提出状況

 確認する  61件
 確認しない 36件

 結構、していない。しかも、記事では、その提出を求めるものの内容が不十分であることが指摘されている。多くの自治体で身分証などの本人確認情報を要求していないようだ。法人の場合も、会社概要や、法人登記簿の確認もほとんどされていないようだ。

■閲覧目的の内訳
 
 50%弱がDM・営業目的で、25%弱が市場調査目的。70%以上が明らかに商業目的であると指摘している。

 DMの内訳は、約66%が教育関係。

  なるほど・・・。こういう調査って今までしていたのだろうけど、私は知らなかったです。なるほどと・・・ということが多いですね。

【参考】
情報公開クリアリングハウス(2005.02.23)

鎌倉市 住民基本台帳閲覧手続

佐賀市(閲覧を制限している自治体)


このブログの中の意見は私見であり、所属・関係する組織の意見ではないことをご了承ください。  

 

|

« 個人情報保護法 頭の体操17 | Main | 米国の会計検査院は情報セキュリティ監査でがんばっている »

Comments

丸山 様

おはようございます。

どんな規制の方法を考えても抜け道はいくらでも見つけることができるから,閲覧規制という方法では問題を解決することができないでしょう。

むしろ,閲覧し収集した個人情報に基づく商業行為のほうを規制したほうが効果的だと思います。例えば,ダイレクトメールの送付や電話やFAXや電子メールによるセールスを全面禁止すれば,閲覧する利益が失われてしまうのでそのほうが効果的だと思います。

そんなセールスなんか存在しなくても消費者は自分で自分のほしい商品を探して購入するから市場に与える影響もほとんどないだろうし,むしろ,広告費を節約することができるので企業の収益も向上するのではないかと思っています。

Posted by: 夏井高人 | 2005.04.22 at 08:35

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/64462/3792908

Listed below are links to weblogs that reference 住民基本台帳の大量閲覧に自治体はどう向き合うべきか:

« 個人情報保護法 頭の体操17 | Main | 米国の会計検査院は情報セキュリティ監査でがんばっている »