金融庁 偽造キャッシュカード問題に関するスタディグループ(第9回)
こんにちは、丸山満彦です。金融庁の「偽造キャッシュカード問題に関するスタディグループ」の第9回の議論の概要と委員の説明資料が公表されています。生体認証の安全性や、システム全体の安全性、標準化なども議論されたようですね。
■金融庁 偽造キャッシュカード問題に関するスタディグループ(第9回)の議事の概要
・偽造キャッシュカード問題の現状とその対策(岩下オブザーバー説明資料)(PDF:182KB)
・金融取引における生体認証について(松本勉委員説明資料)(PDF:778KB)
・偽造キャッシュカード問題と認証システムの考察(松本泰委員説明資料)(PDF:613KB)
なかなか面白い話もありますね。松本泰委員の資料では、偽造カードの問題をシステム全体の問題の一部と捉えて議論をしていますが、まったくその通りですね。生体認証がクローズアップされてしまいますが、問題の本質及び認証(本人確認)技術を利用する場合の留意点がわかりやすく説明されています。
なお、議事要旨で気になる点。
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生体認証について否定することはないが、上手に利用する必要がある。過剰な幻想を持ったりせずに冷静に判断するべきである。まだ評価が固まっていない点もあるが、特に金融業界のような大きな顧客が関心を持つと、製造者側は評価が甘くなることがあり得る。利用者側は、技術の評価結果の提示を製造者にきちんと求めることが重要である。
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前半は、その通りです。しかし、最後の
「利用者側は、技術の評価結果の提示を製造者にきちんと求めることが重要である」
というのは、
「サービス提供者は、製造者による技術評価結果の提示を受け、利用者に評価結果に基づき正しく、利便性とリスクを説明することが重要である」
と考えたほうがよいと思うんです。
(技術的)専門性が高い問題については、専門家が一般国民にメリット・デメリット(リスクを含む)を正しく説明することが重要なのだと思うんです。
このブログの中の意見は私見であり、所属・関係する組織の意見ではないことをご了承ください。
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