事件は現場で起こっているんだ!でも原因は役員室にあります
こんにちは、丸山満彦です。企業の不祥事・事故などの報道が最近多いですね。多くの人の命が危険にさらされたり、株主が損をしたり、投資家がだまされたり・・・、いろいろありますね。
仕事柄企業の様々な不祥事に立ち会ってきているわけですが、わかりやすくするために(正確ではありませんが)パターンにわけて原因を考えて見るとだいたいこんな感じですかね。
●同族会社の社長
・カリスマ社長の独走
・一族の財産を守るための不正
同族会社の社長には、優秀な番頭をつけるのがよいようです。若社長の独走をとめつつ、一族の財産をきっちり守ってくれます。
●ベンチャー会社の社長
・社長の無知・経験不足による独走
・資金繰りに困っての不正
ベンチャー会社の社長には、優秀なブレーンをつけるのがよいようです。ベンチャー社長は意外と専門外のことについては謙虚だったりします。優秀なブレーンが法律面、会計面をサポートできればよいでしょう。資金繰りをつけれるかどうかは、事業の魅力次第です。それは、ベンチャー社長の資質によりますね。
●上場企業のサラリーマン社長
・舞い上がって独走
・何もできずに沈没
・しがみついて沈没
案外これが曲者。夢の社長の椅子・・・社内政治をうまく取り仕切って手に入れた・・・やった・・・。会社で一番眺めの良い広い部屋。社長だけには車もつくのか・・・。これでおれも一国一城の主・・・と思う社長もそうそういないとは思いますが・・・。
ベンチャー企業は企業を興す前、興した後で相当の苦労をします。人を雇う大変さ、株主に投資してもらう大変さ、銀行からお金を借り入れることの大変さ、身にしみてわかっています。
(優秀な)同族会社では、親や番頭は息子に小さい時から帝王学を教えます。
ところがサラリーマン社長・・・現場もやってきました、営業部長もしました、確かに、平社員から部長、事業部長まで経験しています。縦の経験はあるのですが、横の経験(つまり経験の幅)は少ない。サラリーマンは経験がないことは本で学んでいませんから知識がありません。法律、会計、人事労務・・・。
かくして、法律問題、会計問題、人事労務問題様々な不祥事が生じます。
確かに現場にも原因がありますよ。でも、最近の企業をとりまくいろいろな事件をみていると本当の原因は、役員室の中にありそうと思いませんか?
このブログの中の意見は私見であり、所属・関係する組織の意見ではないことをご了承ください。
Comments
このエントリはとくに含蓄深いと思いました。
Posted by: つるまき | 2005.04.21 02:55