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2005.04.17

第三者提供 黙示による包括的な同意が得られていると考えられる場合

 こんにちは、丸山満彦です。厚生労働省の「健康保険組合等における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」において、黙示による包括的な同意が得られていると考えられる場合が示されていますのでご紹介します。

 
健康保険組合等における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン

どのような場合に黙示による包括的な同意が得られているのかを判断となるのでしょうか?


(3)本人の同意が得られていると考えられる場合
第三者への情報の提供のうち、以下の場合は、黙示による包括的な同意が得られていると考えられる。
・被保険者等への保険給付等のために通常必要な範囲の利用目的のうち、下記の例のような、被保険者等にとって利益となるもの、又は医療費通知など事業者側(健保組合等)の負担が膨大である上明示的な同意を得ることが必ずしも被保険者等本人にとって合理的であるとは言えないものの利用の範囲について、ホームページへの掲載、パンフレットの配布、事業所担当窓口や健保組合等の掲示板への掲示・備付けや公告等により明らかにしておき、被保険者等から特段明確な反対・留保の意思表示がない場合なお、ホームページ・事業所内掲示等においては、
(ァ)被保険者等は、健保組合等が示す利用目的の中で同意しがたいものがある場合には、その事項について、あらかじめ本人の明確な同意を得るよう健保組合等に求めることができること。
(ィ)被保険者等が、(ァ)の意思表示を行わない場合は、公表された利用目的について被保険者等の同意が得られたものとすること。
(ゥ)同意及び留保は、その後、被保険者等からの申出により、いつでも変更することが可能であること。
をあわせて掲示するものとする。

※黙示による包括的な同意でよいと考えられる例
・高額療養費を本人の申請に基づかずに事業主経由で支給すること
・付加給付を本人の申請に基づかずに事業主経由で行うこと
・医療費通知を世帯ごとにまとめて行うこと


これを一般化すると次のように読み替えることができるのかなぁ・・・

=====
業務上通常必要な範囲の利用目的のうち、
①本人にとって利益となるもの、又は
②個人情報取扱事業者の負担が膨大である上明示的な同意を得ることが必ずしも本人にとって合理的であるとは言えないものの
利用範囲について、
予め本人に通知又は公表している場合で、
(ア)本人は個人情報取扱事業者が示す利用目的の中で同意しがたいものがある場合には、その事項について、あらかじめ本人に明確な同意を得るよう個人情報取扱事業者に求めることができること。
(イ)本人が(ア)の意思表示を行わない場合は、公表された利用目的について本人の同意が得られたものとすること。
(ウ)同意及び留保は、その後、本人からの申し出により、いつでも変更することが可能であること。
をあわせて掲示している場合。
=====



このブログの中の意見は私見であり、所属・関係する組織の意見ではないことをご了承ください。

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