監視社会と信頼関係
こんにちは、丸山満彦です。ある用語を検索していると、「監視社会」について書かれているブログがあることに気づきました。
NTT PC コミュニケーションのPC Viewというサイトで、佐々木俊尚さんというジャーナリストの方が書いておられます。
2月26日現在、次のような話が掲載されています。(2005.02.26に更新)
第1回:浸透しつつある監視ビジネス/「民」主導の監視社会
第2回:企業情報流出を防ぐ――電子メール監視ビジネス
第2回:MS独禁法訴訟がきっかけでメール監視市場が拡大
第3回:立教小学校の実験――RFIDと監視社会
第3回:登下校確認システムに転用/自動登下校確認システムの概要
第4回:バイオメトリクスと監視社会――顔認証技術
第4回:進化を続ける顔認証技術/監視用途から一般利用へ
第5回 ネットワークカメラとプライバシーの境界 (2005.02.26)
第5回:ネットワークカメラとプライバシー/自治体による規制も開始 (2005.02.26)
監視社会に対する問題は、住民基本台帳ネットワークの稼動時にも議論になったのですが、私は監視する側と監視される側の信頼関係の問題だと思っています。信頼されるためには、監視される側がどのような規範に基づいてどのように行動するのか、それをどのように説明していくのか?そういうことが重要だと思います。監視する側も、監視される側から監視されなければなりませんね。
それと、民間が民間を監視するという問題と、国が民間を監視するという問題は、違う話ですね。ところが、国の監視システムと民間の監視システムがネットワーク化されていくことにより、「民間が民間を監視するということが、いつのまにかに国が民間を監視する」ということになってしまう恐ろしさがありますね。
「昔の村社会だってお互いに監視しあっていた。」という話がありますが、今ではそう簡単に割り切れる話ではなくなった・・・と思っています。
信頼については、山岸さんの本がよいですね。
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信頼の構造―こころと社会の進化ゲーム
山岸 俊男 (著)
価格: ¥3,360 (税込)
単行本: 212 p ;
出版社: 東京大学出版会 ; ISBN: 4130111086 ; (1998/05)
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安心社会から信頼社会へ―日本型システムの行方 中公新書
山岸 俊男 (著)
価格: ¥798 (税込)
新書: 253 p ;
出版社: 中央公論新社 ; ISBN: 4121014790 ; (1999/06)
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このブログの中の意見は私見であり、所属する組織の意見ではないことをご了承ください。
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