住民基本台帳ネットワークシステム 政府と国民の信頼がポイントではないのだろうか?
こんにちは、丸山満彦です。2004年12月1日に開催された総務省の「住民基本台帳ネットワークシステム調査委員会」の議事要旨が公開されています。
「住民基本台帳ネットワークシステム調査委員会」のウェブページ
そもそも、住民基本台帳ネットワークシステム調査委員会は、「住民基本台帳ネットワークシステムの運営、個人情報保護措置、セキュリティ対策、地方公共団体の体制などのあり方について幅広く調査審議を行い、総務大臣に意見を述べることを目的」としてものです。
しかし、今回の委員会の議事要旨からは、普及が進まないことについての悩みも見えてきますね。
主な意見の抜粋
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・住基カードについて、努力をいただいているが、まだ取り組みが不十分。電子政府、電子自治体のサービスで欠けているのが決済であり、一枚のカードで終わるようにするべき。法律の見直しを含めて、カードの普及策を考えて欲しい。
・全体的なトーンとして、住基ネットの説明は、法律に定められたものしか利用できないとか、条例が定められないとできないとか、民間部門が利用することは禁止されているとか、ネガティブ。セキュリティも大事だが、メリットをうまく数値化して、国民に示していくのが大事ではないか。
・住基カードは、民間のセンスからいえば、発行してから利活用を考えるのは、逆ではないか。何に活用するかは、必ずしも総務省が決められるものではなく、地方自治の観点から市町村が決めるということだが住民にとって不便。1%以下の普及率は、なるべくしてなっているのではないか。利活用についてもう少し国が踏み込んだ考え方を示すべき。
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住基カードの利用が進まない背景として、国民の政府に対する不信感があるのではないかと私は思うのですが、皆さんはどうでしょうか?
政府にとって不利な情報もすべて開示しているという信頼がなければ、政府がいくら安全といっても心配ですし、政府が目的外利用はしませんといっても、いざとなったら目的外利用するのではと思ってしまうのも無理からぬ話だと思います。
技術的にどれほど優れているか、プライバシーポリシーの策定状況がほぼ100%だから大丈夫、外部監査をしているから大丈夫という前に、国民との信頼回復にもっと力を入れるべきかもしれませんね。
こういう委員会の活動状況を公開していくことによって少しずつ信頼は回復できるのかも知れませんね。でも、一度失った信頼を回復するのには、時間がかかりますね。
このブログの中の意見は私見であり、所属する組織の意見ではないことをご了承ください。
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