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2005.01.12

個人情報保護法 頭の体操6

 こんにちは、丸山満彦です。個人情報保護法の共同利用ってわかりにくいですね。

 
 我が社(A社)は、B社、C社と共同でポイント制度を活用しております。このポイントは個人データに該当しますので、個人データを共同利用しているといえます。なお、A社が共同利用する個人データの管理について責任を有する者です。

(1)共同利用の通知又は本人が容易に知り得る状態にするのは誰がすべきなのでしょうか?
①A社だけでよい
②A社、B社、C社全部がしなければならない

(2)「利用目的の事前の通知又は公表」の事前と、「共同利用の事前の通知又は本人が容易に知り得る状態にする」の事前は同じタイミングなのでしょうか?
①同じタイミング
②タイミングとしては、共同利用の事前の方が利用目的の事前より後になる

(3)共同利用する場合は、共同利用することを利用目的として本人に通知又は公表しなければならないのでしょうか?
①しなければならない
②しなくてもよい

(4)B社が取得した共同利用目的の個人データをA社が利用する場合、個人情報を取得したように思えるのですが、そのタイミングでは個人情報を取得したと考えるのでしょうか?
①取得したと考えなくてもよい
②取得したと考えなければならない

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Comments

丸山 様

こんにちは♪

共同利用は,ほんとに何回読んでも難解ですね。(←少し寒いかな・・・?)

そもそも「共同利用って何?」という問題について,十分に検討されているとは言えませんね。

たしかに,共同利用の形態に着目すると「準共有」「総有」「合有」などを検討することが可能です。
また,共同利用の法的根拠に着目すると「契約」「法令の定め」「慣習」などを検討することが可能です。

しかし,試みにこれらの要素を全部マトリクスにしてみた場合,それぞれのもつ法的性質が全部違うんじゃないでしょうか?

となると,実は,「今回の頭の体操に対する(唯一の解という意味での)解は,常に存在し得ない」というのが正しい結論になりそうですね。


Posted by: 夏井高人 | 2005.01.12 at 17:39

丸山 様

こんばんは。

「そもそも「共同利用って何?」という問題って何?」ってことがぜんぜん分からない方がおられると仄聞したので,ちょっと補足します。

「共同利用」それ自体は,法律行為ではありませんね。

共同利用という状態を発生させる法律行為その他の法律要件は,別に存在するはずです。
そして,そのような法律要件に特有の法律効果の発生を個人情報保護法は阻止していないと解釈しているので,結局,非常に多種多様な法律効果としての「共同利用」が存在し得ることになります。

したがって,個人情報の利用目的を表示する際にも,単に「共同利用」と表示しただけでは利用目的を何も表示していないのと同じになってしまうことが多々あると思います。

この点の検討がこれまでおろそかだったのがなぜなのかはよく分かりません。

でも,かなり怖くて実際には使えない制度であることだけは確かなような気がします。


Posted by: 夏井高人 | 2005.01.13 at 00:38

夏井先生、コメントありがとうございます。共同利用ってそもそも何?ということを政府のどのガイドラインも踏み込んで説明していません。第三者提供をする範囲を定めて、その中でお互いに第三者提供をしあっている状態が共同利用のような気がします。なので、夏井先生がご指摘のように、その態様の違いによって、

非常に多種多様な法律効果としての「共同利用」が存在し得ることになります。

ということになるのだと思います。

Posted by: 丸山満彦 | 2005.01.13 at 08:01

丸山 様

おはようございます。

「共同利用」は,第三者提供の集合体とは少し違うのではないでしょうか?

たとえば,個人データのポートフォリオのようなものが存在すると仮定して,そのポートフォリオに新たに加入する者がいる場合,それは,第三者提供のスキームとは少し違うように思います。
仮にポートフォリオの構築それ自体が第三者提供になるとすれば,誰に対して提供することになるかわからないけれども一定の範囲内の複数の誰かに対して提供する第三者提供だということになりますが,法は,明らかに,そのようなタイプの「第三者提供」を予定していないと思います。

また,第三者提供の集合体の場合には,第三者提供に関する条項を応用して適用すべきであり,共同利用ではないと思います。

つまり,「共同利用」は,それ自体が「謎」なんだと思います。

Posted by: 夏井高人 | 2005.01.13 at 08:42

夏井先生、コメントありがとうございます。そうか・・・。では、バスケットがあって、そこに共同利用する者がおのおの個人データを放り込んでいって、そのバスケットの中にある個人データを決められた人が利用している状態。という感じなのでしょうか?

Posted by: 丸山満彦 | 2005.01.13 at 09:24

丸山 様

おはようございます。

バスケットの例は比較的良い説明かもしれないですね。

そのバスケットの例で表現すると,個人情報保護法は,バスケットが存在している場合には,何をすべきかを定めているだけです。そのバスケットの利用者がどうしてそのバスケットを利用できるのかを定めているわけではない。
したがって,例えば,個人情報保護法その他の法令の条項に反するためその他の理由により,特定の者がそのバスケットの利用を許されていない場合には,その者について利用契約があろうとなかろうと,その者は,そのバスケットを利用することができないはずです。
個人情報保護法上の共同利用に関連する法解釈上の現時点での最大の問題は,この例のように,そもそもバスケットを利用できないはずの者が含まれていても,バスケットが存在しており,それに個人情報保護法上の共同利用の条項を適用すれば,なぜかそのバスケットを利用できてしまうようなことがあるということにもあると考えています。

ですから,特定の利用者がどうしてそのバスケットを利用できるのか,その法的根拠をきちんと考察し検討することが必要だろうと思います。

そうしてみれば,よほど愚鈍な法律家でない限り(法律専門家でなければ,理解できなくてもやむを得ない。),個人データの「共同利用」という法律行為など最初から存在していないのだということが即座かつ明瞭に理解できると思います。

個人情報保護法上の「共同利用」という概念は,「ある状態」または「法律効果」のようなものを指しているだけのものなのであって,それ自体が何らかの法律行為になっているわけではないのです。

Posted by: 夏井高人 | 2005.01.14 at 07:19

夏井先生、コメントありがとうございます。問題の本質が見えてきましたね。先日ある組織で共同利用の話になりました。弁護士の方が、「共同利用はよくわからないですね。」とおっしゃっていました。なので、その組織では、共同利用することにするのですが、同時に第三者提供の要件も満たすようにしておいたほうがよいのではないかとアドバイスされていました。結局、その弁護士の方も、共同利用にしないほうがよいと言っているわけです。

Posted by: 丸山満彦 | 2005.01.14 at 10:37

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