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2004.12.27

経済産業省 個人情報保護法Q&A

 こんにちは、丸山です。個人情報が続きますが、経済産業省の個人情報保護のウェブページにQ&Aがあります。

 
 前から、事業者からの問い合わせについての回答をFAQにして公表していくべきだ・・・と思っていたので、経済産業省がQ&Aを作っているのはよいですね。10月から変更していないのでもっと頻繁に更新してほしいですね。


経済産業省の個人情報保護のウェブは[ココ]
Q&Aは[ココ]


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このブログの中の意見は私見であり、所属する組織の意見ではないことをご了承ください。
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Comments

丸山 様

こんにちは♪

どんどん細かくなっていきますね^^

でも,どんなに細かくしてみても,本質的な部分が駄目だということがいよいよ分かってきたと思います。

本日も某庁の某氏と意見交換しましたが,やはり法改正して施行を無期延期した上で,全面改正したほうが良いと思います。

なお,EU対応を考えるなら対応するでそれなりの対応が必要ですし(現行法ではEU指令への対応は完全に無理),EU無視なら無視でそれなりの対応が必要ですね(現行法では米国のプライバシー保護に関する判例法及び制定法対応は完全に無理)。

あ~~,日本は世界の孤児になっていくなぁ・・・

Posted by: 夏井高人 | 2004.12.27 at 23:24

夏井先生 コメントありがとうございます。難しい問題ですね。個人情報の問題は、国際間の個人情報の流通(欧州と米国?)の問題として、ある意味政治問題でもあったのかと思っていますが、本当のところはどうなんでしょうか? EU指令に基づいた法令を適用している欧州での実際の法の遵守状況はどうなんでしょうか。 確かイタリアは結構厳しい法律を作っていたと記憶しているのですが・・・。 

Posted by: 丸山満彦 | 2004.12.28 at 06:21

丸山 様

こんにちは。

EU加盟各国における個人データ保護指令の実装状況については,下記に一覧があります。

http://europa.eu.int/comm/internal_market/privacy/law/implementation_en.htm

どれを見ても法律の文面上は日本の個人情報保護法よりもかなりしっかりしてますし,「事前の同意」の要件が貫かれています。
実は,米国のプライバシー保護の考え方でも「事前の同意」を得ることが当然の要件とされている
ので,「事前の同意」を得ないで個人情報の取得ができる日本の法制はかなり特殊なものになってしまっているようです。
日本国政府の担当者は,口を開けば「事前の同意をとることにすれば実務が動かなくなる」と言いますが,欧州でも米国でもそんなことを言う政府担当者など一人もいません。同意は書面である必要はなく,同意と認められる行為があればそれで十分だからです。
なお,同意の証拠化という問題はありますが,これもforensicsのところでコメントしたのと同じで,同意がなければ絶対にあり得ない行動がもし存在するとすれば,同意の存在が推定されます。そして,そのような行動の証明はそれ自体は自明に近いくらい容易であるとすれば,同意の推定も容易なので,書面などによる証拠化など最初から必要ないことになります。つまり,証明のプロセスというものをきちんと理解しておれば,何も問題はないわけです。
でも,現実には,なにか巨大な錯覚が発生してしまっているようです。

また,日本国にはプライバシーコミッショナーが存在しないという点は,世界の中で非常に奇異の目で見られていますね。このことは,堀部先生が鈴木正朝さんの新刊書籍の中でも書いておられますね。私個人にとっても,海外でいろんな方から常に質問を受ける事項の一つです。

いずれにしても,日本の法制は,世界の潮流の中では,いわば異端児のような存在になっているのではないかと思います。

結論として,法の実装それ自体が明らかに時期尚早なので無期延期するのが正しいです。そして,法それ自体がかなりおかしな条項に満ちているので施行を延期している間に全面改正をすべきですね。
理論的には,これが一番正しい解だと思います。
でも,政治学的に見れば,個人情報保護法の全面施行を断行するというオプションは「あり」ですね。完全施行を断行すれば,実際には実装できない事業者が多いので,そうした事業者に「開き直り」を許すことになります。その結果,個人情報保護法は,ザル法化し,世界から白い目で見られることになる。そうなると,批判と外圧がかかり,そして,全面改正の機運が高まるというシナリオも十分に成立可能だからです。

Posted by: 夏井高人 | 2004.12.28 at 08:48

夏井先生。コメントありがとうございます。URLの文字列がおそらく切れていたのだろうと思います。「ココ」です。

さて、鈴木さんの著書の中で堀部先生の主張は明快ですね。

1.今のままでは、日本は世界から孤立
2.その原因の1つに「コミッショナー制度がない」ことが含まれている。

 私は、日本が、欧州や米国と異なる道を進んでもよいと思うんです。(どのような分野においても)。しかしそれなら、
①まず自分の意見を主張し、
②欧州・米国の方法の何が良くないと思っているのかを、
③世界中に説明できなければならないと思います。 
 その結果、自らの主張に賛同が得られなかったら、グローバルにあわせていくしかない部分もでてくるだろうし、賛同が得られれば、結果的に世界全体がより良い方向に進んでいくのだと思うんです。
 今は、直接取得する際の事前同意が不要なことも、コミッショナーがいないことも説明できないですね。他の国からも賛同されない。。。と思います。=>世界から孤立です。

 個人情報保護法の無期延期は困難だと思うのですが、中長期的な視点に立った上での改訂というのは考えておくべきかもしれませんね。

 歯切れが悪くてすみません。いろいろと・・・

Posted by: 丸山満彦 | 2004.12.28 at 13:04

丸山 様

夏井です。

URLは,確かに途中で切れていましたね^^

このblogにアップしたときは,コピーしたものをそのままペーストしただけなんですが,もしかすると,blogのシステムに何らかのバグがあるのかもしれません。

それにしても,ドイツなどのような連邦国では,それぞれの州(ラント)でも個人データ保護法を制定しているわけですし,見習うべき手本は山ほどあるのですから,日本の学者にももっとがんばって勉強してもらいたいものです。
実務家研究者は,解釈論において大学研究者よりも優位に立つ場合が多いと思います。なぜなら,現実の法的紛争とそれに対する法の適用を仕事にしているからであり,それを間違うとたちまち損害賠償責任が発生したり名誉や地位やクライアントや職などを失ってしまうからです。しかし,大学の研究室の中だけにいると,そうした緊張感を味わうことは不可能です。
他方,実務家は,じっくりと時間をかけて各国の法制を調査したり,基本理論を丁寧に検証したりすることは無理です。時間的余裕が全くありません。日々,事務所の経費と税金の支払いのことを考えていないと,たちまち事務所経営が破綻してしまいます。しかし,大学の研究者には,そのような経営上の心配はないし,図書館には資料がいっぱいありますし,大学院での研究や留学(在外研究)等を通じて世界的に見ても稀な非常に高度の語学力も身につけています。

したがって,実務家研究者と大学の研究者とは,そもそも性質を異にする部分があるので,それぞれの長所を最大限に活かせるような合理的なコンビネーションとコラボレーションを実現できるような研究マネジメントのようなものが必要なんでしょうね。

個人データの保護をめぐる研究成果が日本では非常に乏しいこと,そして,それが政策決定に活かされていないことはまことに嘆かわしいことではあります。しかし,将来,そうしたまずい事態を少しでも改善するために,研究者と研究というものそれ自体を見直すことも必要になってくるのではないかと思います。
(とりわけ理系の研究では)COEのような研究テーマからの切り口も悪くはありませんが,(とりわけ文系の研究では)マネジメントという切り口も大事であるように思います。

Posted by: 夏井高人 | 2004.12.28 at 15:23

夏井先生、コメントありがとうございます。プライバシーに問題については、古くから堀部先生が取り組んでいたわけですが、確かにこれまで海外での動向調査、学術的な研究や、実務における論点整理などが行われていなかったかもしれませんね。今からでも遅くはないので、法律や技術の研究者、実務家がフラットに話せる場が必要ですね(というのが、情報ネットワーク法学会だと思うのですが・・・)。
私も微力ながら、お手伝いさせていただきたいと思います。

Posted by: 丸山満彦 | 2004.12.28 at 17:24

丸山 様

夏井です。

個人情報保護やプライバシー保護の関係の研究をするグループとして,情報ネットワーク法学会の中には鈴木正朝さんが主査を担当している個人情報保護法研究会があります。
でも,最近,鈴木さんがちょっと忙しくなってしまって,研究会の開催が若干停滞気味かな・・・
今度お会いしたらお話ししてみます。

ちなみに,私が主査を担当している電子証拠研究会も,私が超多忙のため停滞気味です。computer forensicsの関係でも研究テーマはいくらでもあるので,こちらのほうもがんばります。

よろしくお願いします。

Posted by: 夏井高人 | 2004.12.28 at 17:38

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